田原市の渥美半島醸造 大葉風味の地ビール限定発売へ 生産農家とコラボ

2025/08/07 20:00(公開)
9日の新発売イベントをPRする大葉生産者と川合さん㊨=田原市の渥美半島醸造で

 田原市福江町の地ビール製造販売「渥美半島醸造」は、JA愛知みなみの生産者組織「泉つまもの出荷組合」と協働で大葉を使った新商品「しそビール PARIKINO(パリキノ)」を1000本限定で発売する。規格外品を活用した。9日の新発売へ向け、組合員も醸造所でビ-ルの缶詰め作業に加わった。

大葉を活用した地ビール「PARIKINO」
高温障害に対応しつつ生産する組合員=田原市江比間町で

高温障害で1割が規格外  農家の新たな販路に 

 

 新商品の原材料は、市内泉地区の大葉生産者6人で活動する出荷組合が栽培したものだ。試作を含め商品化までに約5000枚を使った。いずれも高温障害で葉の一部が変色したり、破れたりした規格外品だ。味は変わらないため加工食品に適している。

 

 代表生産者の伊藤圭さん(48)によると、2024年度の出荷量は約14万1000箱(1箱2000枚入り)。うち、約10%が規格外品となる。

 

 伊藤さんは「ここ数年は猛暑のため適温維持に苦労が絶えない。空調は電気代がかさむため、気化熱利用の空気循環システムを導入する組合員もいる」と厳しい栽培環境について語った。

写真醸造された新商品の缶詰め作業を手伝う組合員

大葉と梅のエキスでさわやか風味に

 

 新商品はこれらの大葉と、渥美フーズが自社生産する梅のエキスを配合。大葉の酸味が効いたさっぱりとした風味が特徴だ。アルコール度4・0%と低め。

 

 醸造責任者の川合崇浩さんによると「夏らしい爽やかさを感じられるサワービールだ。苦みが得意ではない人も楽しめる」と話す。

 

 新発売前の5日、醸造したビールの缶詰め作業と試飲会があり、組合員らも新商品の出来栄えに満足した。伊藤さんは「醸造所の準備段階から働き掛け、3年越しに実現した。通年栽培で安定供給可能なため、定番商品になればうれしい」と語った。

 

9日発売記念イベント 先着100人に1杯無料で

 

1本877877円(税込み)。併設の「ATSUMIブリューパブ」と「フードオアシスあつみ」で販売。発売記念イベ9日午後5午後5時から、同市福江町の「あつみの市レイ」で開く。先着100人まで1杯無料。大葉トークセッションは伊藤さんと、「365日大葉を食べる人」としてテレビ番組に紹介された佐藤光さんが登壇。音楽ライブなどもある。

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加藤広宣

愛知県田原市出身。高校卒業後、大学と社会人(専門紙)時代の10年間を東京都内で過ごす。2001年入社後は経済を振り出しに田原市、豊川市を担当。20年に6年ぶりの職場復帰後、豊橋市政や経済を中心に分野関係なく取材。22年から三遠ネオフェニックスも担当する。静かな図書館や喫茶店(カフェ)で過ごすことを好むが、店内で仕事をして雰囲気をぶち壊して心を痛めることもしばしば。

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