総務省が発表した今年度「ふるさと納税に関する現況調査結果」によると、東三河で2024年度の寄付受け入れ額がもっとも多かった自治体は蒲郡市で10・6%増の約17億2716万円だった。次いで田原市は60・6%増の約11億1653万円で目標だった10億円の大台を上回った。
ほかでは豊橋市が約5億1296万円で前年度から3・7倍以上の大幅増だった。新城市は43・1%増の4191万円。一方、豊川市は28・8%減の約1億9530万円だった。
田原市は23年度も受け入れ額が6倍近く増え、目標額を大幅に上回る実績だった。返礼品出品者も農産物や海産物といった一次産品の事業者が多いのが特徴だ。
市や委託事業者の渥美半島観光ビューローによると、返礼品数や人気の品を組み合わせを多様化するなど、寄付者の需要に応じたサイトの魅力を高めたことで支持が広がったという。
返礼品の取扱数も23年度の420品から745品に大幅増。新たな販路を求めて出品事業者も増え続けている。
サイト人気ナンバーワンの「完熟 いちじく『極』無花果」(9~12玉、1万6000円)は朝収穫した完熟いちじくを即日発送。多くのリピーターがつく人気商品となった。不漁で高値の焼きのりや人気定番のウナギなどが寄付者を引き付けている。
市企画課の担当者は「一次産品を中心に販路開拓のツールに制度を活用している。サイトでの効果的な見せ方、寄付しやすい単価設定や異なる返礼品を組み合わせるなどニーズに応えて支持を広げたい」と話す。25年度は15億円を目標に掲げている。
寄付受け入れ額から寄付者への返礼品にかかる費用や、住民税控除(他市町村への流出)を差し引いた上で、控除額の75%を地方交付税(不交付団体は0円)で補うと実質収支額が算出できる。
蒲郡と田原の両市が実績で突出する中、豊橋市は収支をマイナス5772万円(72・6%増)まで改善。前年度に2億円余りあった赤字を大幅に圧縮した。
他都市への寄付が流れやすい状況を大幅な受け入れ額増で補った。躍進した田原市と同じ事業者にサイト運営を再委託した。返礼品の品ぞろえや見せ方などを大幅に変えた。今後も寄付者に訴えかける工夫が不可欠としている。
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愛知県田原市出身。高校卒業後、大学と社会人(専門紙)時代の10年間を東京都内で過ごす。2001年入社後は経済を振り出しに田原市、豊川市を担当。20年に6年ぶりの職場復帰後、豊橋市政や経済を中心に分野関係なく取材。22年から三遠ネオフェニックスも担当する。静かな図書館や喫茶店(カフェ)で過ごすことを好むが、店内で仕事をして雰囲気をぶち壊して心を痛めることもしばしば。
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