豊橋技術科学大学と同大学院の「建築・都市システム学」を学ぶ学生5人はこのほど、蒲郡市内の繊維工場などを見学した。11月1日に竹島園地で開くファッションイベント「GAMA LOVE FES(ガマラブフェス)」会場で蒲郡の繊維ロープや布、カーテンをアップサイクル(創造的再利用)したベンチとフォトスポットを設置する。そのアイデアつくりのためだ。
フェスは蒲郡の地場産業である繊維産業を全国にPRするプロジェクトの集大成。市と三河繊維会社で構成する「ミカワ・テキスタイル・ネットワーク協議会」が、歴史のある繊維と若者の感性が交わるイベントにしようと企画した。
イベントは「東京ガールズコレクション」や市がプロデュースしたファッションショーを予定しており、モデルなどが三河繊維を取り入れた衣装を身に着け、竹島を背景にしたランウエーを歩く。
会場はイベントのテーマを体感できる空間演出したエリアをはじめ、ランウエーが見られる観覧エリアや誰もが楽しめるようなコンテンツを提供するエリア、三河産地の繊維などを活用した体験エリアを設ける。ベンチなどはいずれかのエリアに置くとしている。
蒲郡の繊維に触れながら、地場産業の魅力を深めることができるとともに、アップサイクルを通して循環経済についても体感できるベンチとフォトスポットにしたいと考えた市は、柔軟な発想やアイデアを持つ学生に注目した。協議会の一員で、学生と一緒に繊維ロープのベンチを西浦シーサイドロードに設置した経験がある市内のロープ製造「丸五製綱所」の間瀬有実子社長に相談した。
共感した間瀬社長は、豊橋技科大建築・都市システム学系の藤田大輔教授に打診。藤田教授は快く引き受け、藤田ゼミ生と豊橋技科大の建築サークル「TYACC」に所属する学生計16人のほか、県内の大学と協同して制作することになった。
蒲郡を訪れた学生5人は、間瀬社長や市職員と一緒に竹島園地で設置場所を確認したほか、西浦シーサイドロードにあるベンチを見に行ったり、丸五製綱所でロープが完成するまでの製造工程などを見学したりし、制作に必要な知識を深めていった。
4年生の渡辺海輝さんは「現地調査を通して、実際の会場の敷地を見られてよかった。ロープ以外に製造過程を発信できるものを考えていきたい」と話した。修士2年生の籾山遥希さんは「現地に行ったことでレイアウトや当日の風景をイメージすることができました」と述べた。
今後、デザインなどの意見をまとめたプランを9月15日までに市に提出し、制作に取り掛かる。
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愛知県蒲郡市生まれ。2020年、地元蒲郡が好きで東愛知新聞社に入社。同年から蒲郡担当、市政や地域行事、文化など全般を取材。ドローンを使って東三河の名所を空撮したルポ「大二朗記者の空からの訪問」を不定期連載。これまで、三河大島や三河国分尼寺跡、日出の石門などを空撮してきた。ドローン技術向上のため、国家資格「一等無人航空機操縦士」を24年に取得。読者の皆さんが楽しんでもらえる記事と記憶に残る写真を掲載できるよう、日々、頑張っていきます。
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