地域資源の発掘を狙いに大阪・関西万博会場で6月に開かれた「にっぽんの宝物WORLDグランプリ」で、田原市の農家と飲食事業者が提案したかんきつ類「フィンガーライム」と加工品が独自進化部門の準グランプリを受賞した。菊農家を営む鈴木亜希奈さん、飲食事業者の藤井恵美子さんが市役所を訪ね、山下政良市長に受賞の喜びを伝えた。
大会は地場産品を地域資源として発掘するプロジェクト。今年は万博に合わせ初の国内開催となった。地域大会や国内大会を勝ち抜いた12事業者が参加した。世界で活躍する料理人や起業家らに商品を提案し、販売戦略などの助言も得た。
鈴木さんは夫豪さんと同市赤羽根町で菊栽培の傍ら、3年前からフィンガーライムの栽培を始めた。藤井さんは同町内でクラフトコーラの加工に取り組んだ。
フィンガーライムはオーストラリア原産で、キャビアのような細かい粒状の果肉が特徴。2月の国内大会でグランプリを受賞して世界大会への出場権を得た。
鈴木さんの農園では菊栽培用温室の一部をフィンガーライムに転用。現在は色や形の違う22種類を栽培している。ホテルのレストランなどへは品種ごとに、ふるさと納税の返礼では多品種を楽しむパッケージがある。
万博会場での世界大会では品質のよさなどが高評価を受けたという。
鈴木さんは「原産国では野生化するほど珍しくない。品質にこだわって独自進化を遂げた日本産を世界に知ってもらえた。生産者として新たな一歩にしたい」と意気込んだ。藤井さんは「世界水準の審査で、どう売ればいいのかなどの気付きを得られた」と述べた。
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愛知県田原市出身。高校卒業後、大学と社会人(専門紙)時代の10年間を東京都内で過ごす。2001年入社後は経済を振り出しに田原市、豊川市を担当。20年に6年ぶりの職場復帰後、豊橋市政や経済を中心に分野関係なく取材。22年から三遠ネオフェニックスも担当する。静かな図書館や喫茶店(カフェ)で過ごすことを好むが、店内で仕事をして雰囲気をぶち壊して心を痛めることもしばしば。
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