豊橋市佐藤4のレジ販売業「OKトータルサービス」は、レジのドロワー(引き出し)に収めた現金の「内引き」を防ぐ盗難防止装置「セキュリティキャットEX」を製品化する。自社特許のレジ防犯の仕組みを生かした新製品は装置の小型化が課題だった。アイデアの具現化に一役買ったのは、試作段階で参加した豊橋技術科学大学の学生だった。
同社は大手レジメーカーの販売を通じ、専門的な知見を生かしてセキュリティーシステムの企画開発も手掛ける。大西国光社長は関連分野で複数の特許を持つ。
試作に関わったのは大野裕之さん、細川達広さん。情報・知能工学を専攻する大学院生で、ロボットの製造やデジタルに知見がある。学生起業家でもある大野さんが7月、デジタル展示会で大西社長と意気投合。技術移転や社会実装に関心があった研究仲間の細川さんと試作に加わった。
大西社長のアイデアによると、レジ側面に可動式のロック棒を内蔵した防犯装置を設置。さらにドロワー正面に取り付けたマグネット式の鍵受けと連動させ、会計処理以外はレジ責任者が持つスマートキーでのみ施錠と解錠ができる。備え付けの防犯カメラで万が一の不正にも、操作した人物を特定できる。
大西社長が2年前に取得した特許のアイデアを生かした。製品名の「EX」はレジ防犯の最終型としたいという思いを込めた。
試作に参加した細川さんは「面白そうな誘いに飛びついた。学んできた技術的知見を実践で生かす貴重な機会。社会実装につながる今後の研究にも参考になった」と喜んだ。大野さんは「得意のデジタル知見を会社の課題解決に役立てられて有意義だ」と語った。
製品化へ向けレジメーカーが導入を検討中だ。大西社長は「将来は防犯システムやスマートフォンとの連動へ磨きをかけたい。学生の技術力がアイデアを形にする追い風になった」と2人に感謝した
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愛知県田原市出身。高校卒業後、大学と社会人(専門紙)時代の10年間を東京都内で過ごす。2001年入社後は経済を振り出しに田原市、豊川市を担当。20年に6年ぶりの職場復帰後、豊橋市政や経済を中心に分野関係なく取材。22年から三遠ネオフェニックスも担当する。静かな図書館や喫茶店(カフェ)で過ごすことを好むが、店内で仕事をして雰囲気をぶち壊して心を痛めることもしばしば。
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