ベンチャー企業「FieldWorks(フィールドワークス)」(新潟県長岡市)は26日、作物の病害虫を防ぐための防除剤を散布用に開発した小型ロボット「ウネマキ」の作業を豊橋市老津町の「中村ナス園」で公開した。高齢化が進む農家の負担軽減や安全性の向上を目指す。12月から販売を始める。
同社は豊橋市の実証開発プロジェクト「TOYOHASHI AGRI MEETUP(トヨハシ・アグリ・ミートアップ」の2023年度コンテストで入賞。24年度から、草刈り作業の負担軽減を目指し、畝間対応小型草刈ロボット「ウネカル」の実証実験を続けた。その中で、農薬散布作業の負担軽減を求める声が多くあった。何十㌔ものタンクを背負い、歩いて薬剤をまくのは重労働だ。そこで7月に新たな製品開発に着手。キュウリ、ナスの畑で畝間対応農薬散布ロボット「ウネマキ」の実証実験を重ね、約2カ月で商品化にこぎつけた。
ロボットは、長さ110㌢、幅35㌢、高さ49㌢、本体重量22㌔。農薬タンクは46㍑と23㍑から選べる。バッテリーで走行し、1~1・5時間の連続使用ができる。小型軽量で、一人での持ち運びが可能。ハウス内や不整地でも走行可能で、高圧ポンプで葉の裏までむらなく農薬を散布する。作業する人はコントローラーで遠隔操作するため、薬剤を直接浴びることがなくなり、夏の暑い時期の散布作業といった身体的な負担も大幅に軽減される。
ウネマキの公開はナス園代表の中村敏秀さん、JA豊橋ナス部会のメンバーらが見守った。ハウス内で畝間を走行し、薬剤をまいた。意見交換会があり、さらなる小型化や薬剤噴霧ノズルの改良について期待する声があった。
実演したハウスは750平方㍍。人が薬剤散布をすると1時間10分かかる。ウネマキを使えば長くて50分程度。中村さんは「農業のスマート化や地域全体の生産性向上に期待したい」と語った。
今回商品化した「ウネマキ」は79万8000円(税込み)。10月末までは、5日間1万5000円(税込み)でレンタルする。
「ウネカル」「ウネマキ」を導入する市内のパートナー農業者はアグリテック農業支援補助の対象となる。
同社の山岸開社長は「実験でいただいた意見を元に、改良できる点は改良を進めていく。生産者の負担が大きい作業をロボットに置き換え、持続可能性を高めていきたい」と語った。
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1967年三重県生まれ。名古屋大学卒業後、毎日新聞社入社。編集デスク、学生新聞編集長を経て2020年退社。同年東愛知新聞入社、こよなく猫を愛し、地域猫活動の普及のための記事を数多く手掛ける。他に先の大戦に詳しい。遠距離通勤中。
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