豊川市の佐溝力さん(78)がこのほど、自分の半生を振り返る本「サミゾチカラの『うろおぼえ自分史』継ぎはぎだらけの無謀人生」を出版した。国内有数のホーロー看板コレクターとして知られた佐溝さんだが、自宅に開設した「看板と広告の資料館 琺瑯(ほうろう)看板研究所」を2021年に閉館後、脳梗塞になりリハビリの日々を過ごした。本は周囲への感謝や反省を込めて執筆を決めたという。
佐溝さんは五十数年前からホーロー看板のコレクションを始め、1992年から各地で展示を続けてきた。2007年には自宅を資料館として無料公開。多くのメディアやSNSで紹介されるなど話題を集めた。また同時に、現代美術アーティストとしても活動。音楽活動やボランティアにも力を入れてきた。
自分史は友人らの勧めで書き始めた。後遺症のため口述筆記の形式で、友人の舩坂清伸さん、塩沢英二さん、大久保一彦さんが力になった。脳梗塞で入院した話をプロローグに、生い立ちから仕事、児童施設でのボランティア、ホーロー看板の収集や登山、音楽など自身が打ち込んできた多岐にわたるエピソードを掲載。後半には友人やボランティア関係者らからのメッセージや自分史年表なども載せている。
300冊発行し、世話になった人に配ったという。「病魔に倒れて前向きになれなかったが、友人に助けられた。これまでいかに人を巻き込んできたかと振り返り、反省と感謝だけが残る」と話す。「今後は経験を生かした講演などにも力を入れたい」と佐溝さんは語った。
本紙読者10人に「継ぎはぎだらけの無謀人生」を進呈します。はがきに郵便番号、住所、氏名、年齢を明記し、〒441―8666東愛知新聞社へ。締め切りは22日(消印有効)。
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愛知県豊橋市生まれ。大学卒業後、校閲記者として入社。1年後に報道記者に転身した。2020年から報道部長。芸術、福祉、経済・奉仕団体などを担当する。趣味は、かなりジャンルに偏りのある読書と音楽鑑賞。思考のそっくりな一人娘と趣味を共有している。
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