優れた農業経営者に贈る大日本農会の「農事功績者表彰」で、田原市六連町の西山直司さん(63)が緑白綬有功章を受けた。19日、市役所に山下政良市長を訪ね、報告した。市内の生産者では2017年度以来。
西山さんはスイカやダイコン農家の後継者として1984年に就農。スイカ栽培では、省力化のためミツバチを使った交配技術を確立した。ビニール資材で畝(うね)を覆う「トンネル」栽培に応用でき、生産効率を飛躍的に高めた。
出荷時期を秋まで意図的に遅らせる「実生(みしょう)スイカ」にも取り組み、課題だった立ち枯れも解消して夏との二期作を可能にした。JA愛知みなみの独自ブランドとして育成にも取り組んでいる。
一方、田原農業懇話会の会長など後進育成にも尽くした。農学専攻の大学生など研修生の受け入れにも積極的だ。外国人材の受け入れ制度への改革も提言するなど幅広い活動が評価された。
西山さんは「受章を励みに、今後も地域の農業発展に尽くしたい」と意欲を見せた。
山下市長は「栽培技術と人材育成の両面での活躍に感謝している。市内でも将来は担い手不足が課題だ。豊富な知見を後世につないでほしい」と期待した。
購読残数: / 本
愛知県田原市出身。高校卒業後、大学と社会人(専門紙)時代の10年間を東京都内で過ごす。2001年入社後は経済を振り出しに田原市、豊川市を担当。20年に6年ぶりの職場復帰後、豊橋市政や経済を中心に分野関係なく取材。22年から三遠ネオフェニックスも担当する。静かな図書館や喫茶店(カフェ)で過ごすことを好むが、店内で仕事をして雰囲気をぶち壊して心を痛めることもしばしば。
週間ランキング
日付で探す