能登半島の復興支援に携わる豊橋市の屋根修理業「ユーアールジー」は24日、同市の「ライフポートとよはし」で南海トラフ地震の地域防災を考えるシンポジウムを開いた。被災地から薬剤師の原将充さん、看護師で元七尾市議の木戸奈緒美さんを迎え、被災者でありながら支援者としての復興について学んだ。
原さんは製薬会社で赴任したのが縁で、石川県穴水町で薬局を営む。家族と映画館に訪れた金沢市内で被災した。帰宅困難な状況で、富山県や七尾市を経て翌日午前0時に帰宅した。
被災地で困難だったこととしてインフラの復旧を挙げた。穴水町でも1カ月後に行政が復旧したが、自宅へ引き込む作業は専門業者が不足して思うような復旧とはいかない実情を実体験を踏まえて紹介した。
避難所生活では水とともにトイレの復旧が大きな課題とした。仮設トイレは当初、男女の区別もなかったという。
原さんによると、衛生状態が悪いと女性が使用を我慢する。子どもも使い慣れないトイレは次第に敬遠するようになったという。「使用を控えれば水分補給を我慢するようになる。健康面で悪循環に陥りやすい」などと話した。
また「簡易トイレの使い方を防災訓練などでもっと周知すべきだ」と強調した。便利だが使い方を知らない人が多く、能登の被災地でも周知されていない実態が浮き彫りになったと警鐘を鳴らした。
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愛知県田原市出身。高校卒業後、大学と社会人(専門紙)時代の10年間を東京都内で過ごす。2001年入社後は経済を振り出しに田原市、豊川市を担当。20年に6年ぶりの職場復帰後、豊橋市政や経済を中心に分野関係なく取材。22年から三遠ネオフェニックスも担当する。静かな図書館や喫茶店(カフェ)で過ごすことを好むが、店内で仕事をして雰囲気をぶち壊して心を痛めることもしばしば。
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