ベトナムでの販売実習を11月に終えた県立豊橋商業高校グローバルビジネス科の生徒9人による報告会が18日、豊橋市駅前大通2の「エムキャンパススタジオ」で開かれた。
豊橋市の老舗つくだ煮製造「平松食品」と連携し、炊き込みご飯のもと「お茶碗さん梅(おちゃわんさんばい)」を海外市場に売り込もうという課題研究の授業の一環。
生徒は11月13~16日にベトナムに滞在した。バイヤーや飲食店の関係者が集まる展示会「ベトナムフードエキスポ」の会場と、ホーチミン市の中心地から約9㌔の場所にある「イオンモールタンフーセラドン」の2カ所でブースを出し、「お茶碗さん梅」など数種類のつくだ煮を販売した。渡航費の一部は8月上旬からクラウドファンディングで集め、目標金額の45万円を上回る70万9000円が寄せられた。
販売実習では、ベトナム語のキャッチコピーと生徒らの写真を組み合わせて作った大小2種類のポップを飾ったり、日本で覚えたベトナム語であいさつしたりして、人目を引く工夫をした。一方、報告会では「試食してもらっても、大半の人は買ってくれなかった」と苦労を語った。それでも、身振り手振りと不慣れなベトナム語で足を止めてくれる人や日本が好きで買ってくれる親子に出会い、「言語を超えたコミュニケーションを学んだ」と振り返った。
日本の食文化との違いについて「甘じょっぱいつくだ煮の味をどう伝えるかが難しかった」とし、試食コーナーを設置。「子どもの反応は良く、大人は好みが分かれたが、ご飯と一緒に食べるとおいしいと言ってくれた」などと発表した。
リーダーの滝川稜馬さん(3年)は「日本が当たり前ではないと体感した。水道水が飲めなかったり、料理が口に合わなかったり苦労したが、良い経験になった」と話した。
平松食品の平松賢介社長は「海外進出して数十年がたつので、知らない間に偏見が生まれてしまう。今回の取り組みで忘れていた何かを思い出した気がする」と話した。参加生徒らには「ぜひ世界をもっと知って」とメッセージを送った。
商品は、ベトナムで18店舗展開するスーパー「アンナムグルメ」の数店舗に置かれる。展示会で味やパッケージなどが高評価だったという。
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1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。
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