愛知県が冊子「女性活躍はじめの一歩」を作成、蒲郡の3社も

2026/02/09 00:00(公開)
冊子の表紙
冊子の表紙

 中小企業女性活躍推進事業を実施している県は、企業の参考となるよう課題や取り組み事例を紹介する冊子「経営課題を乗り越える!女性活躍はじめの一歩」を作成した。蒲郡市と愛西市、商工会議所、地元企業が連携して開催した意見交換会の成果をまとめた。組織変革のヒントや一人からでも変革を起こせる秘策が掲載されている。サイトで閲覧できる。また、紙の冊子を市町村で配り、希望する中小企業などに無料で送る。

 

    ◇

 蒲郡市では、再生医療製品事業「ジャパン・ティッシュエンジニアリング」(J―TEC)▽ロープ製造業「丸五製綱所」▽眼鏡レンズ製造販売「伊藤光学工業」が取り上げられた。内容を詳報する。

 

■J―TEC

 

 従業員237人のうち137人が女性。同社が取り組む再生医療領域は、知識と技術を持つ経験者の採用が難しく、自社での人材育成にも長い時間を要するため、結婚や出産などのライフイベントによる離職は経営上の大きなリスクとなっていた。

 

 そこで同社は「辞めずに働ける」環境整備を徹底した。産休・育休は、制度案内だけでなく休業による資金シミュレーションを実施し、休業中も定期的な面談を行うことで復帰への不安を解消している。

 

 復帰後も子どもが小学校を卒業するまで短時間勤務が可能で、配偶者の転勤に合わせたリモートワーク制度も導入した。さらに、部署や世代を超えたメンター制度により、キャリア形成の相談ができる体制も整えた。

 

 これらの取り組みの結果、2022年には育休復帰率と男性育休取得率がいずれも100%を達成し、専門性の高い人材が長く活躍できる組織体制を確立している。

 

■丸五製綱所

 

 大正時代から続く老舗。従業員14人という小規模ながら、女性社長ならではの視点で改革を進めている。

 

 互いの事情を理解し助け合う風土が根付いており、午後3時に退社する30年以上のキャリアを持つ女性パート社員を工場長に抜てきするなど、既成概念にとらわれない人事を行っている。

 

 環境面では、作業着をデザイン性のあるTシャツに変更して仕事終わりにそのまま買い物に行けるようにしたほか、時間単位での有給取得を可能にし、柔軟な勤務体制を敷いた。コミュニケーション活性化のためにキッチンカーを利用した昼食会を実施し、社員の家事負担軽減と社内交流を両立させている。

 

 こうした風土はイノベーションを誘発し、ロープの廃材を活用したストラップなどの商品開発や、地元観光業との連携、ファッションイベントへの参加など、製造業の枠を超えた事業展開へと結実している。

 

■伊藤光学工業

 

 製造現場の「働きやすさ」と「成果」の両立を目指し、業務の多能工化を推進した。特定の個人に業務を依存しないよう複数人担当制を導入することで、社員が休みを取りやすい体制を構築し、繁忙期には部署を超えた人員配置も可能にしている。

 

 女性社員を中心とした部署横断的な開発チームが活躍する。外部機関も巻き込みながら女性視点を存分に生かして開発された「化粧したような効果のある眼鏡」は、市場で好評を得ている。年齢や性別を問わず新たな挑戦を歓迎する社風があり、女性開発チームの成功は、多様な視点が新たな付加価値を生み出すことを証明した好例という。

 

3社が掲載されているページ
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山田一晶

1967年三重県生まれ。名古屋大学卒業後、毎日新聞社入社。編集デスク、学生新聞編集長を経て2020年退社。同年東愛知新聞入社、こよなく猫を愛し、地域猫活動の普及のための記事を数多く手掛ける。他に先の大戦に詳しい。遠距離通勤中。

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