試行錯誤続く田原のカキ養殖 特産アサリに次ぐ収入源へ 地元漁業者が県市と連携

2026/02/22 23:00(公開)
養殖籠と支柱周辺を手入れする川口さん=田原市の三河湾で
養殖籠と支柱周辺を手入れする川口さん=田原市の三河湾で

 田原市の三河湾で特産のアサリに次ぐ収入源に育てようと、約5年前から地元漁業者が県や市との連携でカキの養殖に取り組んでいる。産卵しない三倍体カキのほか、近隣の海岸で採取した「落ちガキ」を専用籠に入れて海中で育てる「シングルシード」を採用。生産者らは、将来の安定生産や品質改良を目指し試行錯誤を重ねる。

カキの成育を確かめる川口さん
カキの成育を確かめる川口さん

 市内では小中山と渥美の両漁業協同組合が取り組んでいる。市の渥美湾環境適応型漁業推進事業として両漁協へ委託する三倍体カキを使った手法と、近隣の海岸で収穫できる「落ちカキ」を使った養殖法を採用する。三倍体の養殖では徳島県の水産ベンチャーから稚貝を購入し、昨年6月から実施している。

 

 落ちガキをつかった養殖では専用籠に数十個のカキを入れ、沖合で共同利用する養殖施設で水面近くに浮かべる。海中プランクトンを餌に、早ければ1カ月で身入りが約1・5倍にまで膨らむものもある。

 

 小中山漁協でカキ部会長を務める川口拓馬さん(38)は稼業の潜水漁の傍ら、3年前からカキ養殖に参加した。

 

 この時期は落ちガキの養殖が本格化するシーズンだ。支柱にロープを張った養殖施設へ小型船で乗り入れ、籠の中のカキを取り出して成育状況を確かめたり、死滅した貝を取り除いたりする。海に入って籠やロープに付いたフジツボの除去など保守点検も行う。

 

最終目標は生ガキ養殖  技術改良と設備投資も課題

 

 川口さんは「最終的には需要が高い生食の安定生産を目指したい。そのための滅菌装置導入など高額な設備投資も必要になる。まず加熱用を安定供給できる技術を確立させたい」と意気込む。

カキを試食する大村知事=伊良湖クリスタルポルトで
カキを試食する大村知事=伊良湖クリスタルポルトで
試食イベントで振る舞った焼きガキ
試食イベントで振る舞った焼きガキ

伊良湖で試食イベント  大村知事も舌鼓

 

 県は22日、同市の「道の駅伊良湖クリスタルポルト」で、シングルシード養殖をPRする試食イベントを開いた。焼きガキ約300個を来場者に無料配布した。

 

 この日は大村秀章知事も会場を訪れた。小中山漁協の川口正康組合長から養殖方法などの説明を受け、収穫した焼きガキを味わった。

 

 大村知事は「思ったより塩味が効いて、おいしかった」と述べた。川口組合長は「県と市で異なる養殖の支援を受けている。アサリに次ぐ新たな収入源とするには、生食用の生産技術やブランド化が欠かせない」と見通しを示した。

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加藤広宣

愛知県田原市出身。高校卒業後、大学と社会人(専門紙)時代の10年間を東京都内で過ごす。2001年入社後は経済を振り出しに田原市、豊川市を担当。20年に6年ぶりの職場復帰後、豊橋市政や経済を中心に分野関係なく取材。22年から三遠ネオフェニックスも担当する。静かな図書館や喫茶店(カフェ)で過ごすことを好むが、店内で仕事をして雰囲気をぶち壊して心を痛めることもしばしば。

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