イオン進出で豊川の「未来」は?

2016/11/08 00:00(公開)
イオンモール進出に関して講演する藻谷氏=豊川商議所で
 豊川市の民間シンクタンク・豊川ビジョンリサーチ(大島嗣雄会長)は6日夜、豊川商工会議所で11月公開例会を開き、日本総合研究所・主席研究員の藻谷浩介氏(52)が「大型ショッピングセンターの進出とまちづくりへの影響」の演題で講演した。
 市内では2018(平成30)年7月に生産を終えるスズキ豊川工場(白鳥町)の跡地に、大型商業施設・イオンモールの進出計画が進む。市民などから期待の声が上がる一方、地元商店街からは反対意見もあり、藻谷氏はこの問題について独自の調査・研究から持論を語った。
 藻谷氏は、イオンモールが進出した日本各地の市町の事例を挙げて「イオンが来ると、イオン以外の店はほとんどなくなる」と周辺商業施設への影響を説明。イオンモール岡崎店が出店した岡崎市などのデータから「売り場が増えたら売り上げや従業員数も増えないといけないのに、そうはなっていない」とし、人口減少や高齢化などを背景に「豊川に来ても、1、2年は売り上げが上がっても、またすぐに元に戻る」と予想した。
 そして、本州の中部圏内で東名、新東名高速道路も近いスズキ跡地の地の利を挙げて「労働者も集めやすく、こんなに工業用地に適した場所はない。工場があった場所には工場を持ってくるのが普通の考え方。生産の地を消費の地に変えることにプラスはない」とした。
 進出企業との交渉権は地権者のスズキにある一方、「工業」となっている用途地域の変更権は市が持っている。藻谷氏は、京都の伏見稲荷が外国人観光客に圧倒的な人気を誇ることを例に「豊川稲荷をもっと真剣に考えるべき」と観光施策による活性化を勧めた。
 講演には地元の市民や政財界、市職員ら約130人が参加し、真剣にメモを取る人の姿もみられた。
(由本裕貴)
続きを読む

購読残数: / 本

この記事は登録会員限定です
この記事は有料購読者限定記事です。
別途お申し込みをお勧めします。
最新記事
光生会 さわらび会 蒲郡信用金庫 虹の森 藤城建設 住まいLOVE不動産 パーソナルカラー診断の名古屋・愛知
158商品のおすすめドッグフードを比較 hadato 肌を知る。キレイが分かる。 全国郷土紙連合 穂の国

日付で探す