一軒家で芸術家たちが創作活動 豊橋の「向山レジデンス」

2016/12/25 00:00(公開)
「向山レジデンス」のリビングで談笑する劇団「ままごと」のメンバー=豊橋市内で
 演出家や俳優、ミュージシャンなど東京を拠点に活動するアーティストが一定期間滞在し、創作活動に励む一軒家が豊橋市内にある。その名も「向山レジデンス」。地域の人と交流しながら作られる作品は、まちの魅力の再発見や、文化振興へとつながることが期待されている。
  家は木造平屋建て。昭和レトロな部屋の至るところに石こう像や楽器が置いてあり、騒然とした空間が広がっている。
 今年秋、この家に劇団「ままごと」=東京=の10人が2週間、寝泊りしながら豊橋オリジナルの音楽劇を制作した。店主から店の歴史を聞いたり、住民と交流したりする中から、レトロでほっこりと温かな楽曲たちが生まれた。
 一軒家は、今年6月から豊橋市の穂の国とよはし芸術劇場プラットが国内外のアーティストに滞在、創作活動をしてもらう「アーティスト・イン・レジデンス」として管理。家の所有者は同市出身の造形作家で「アーティストのたまり場に」との願いから貸し出している。
 これまで長期滞在するアーティストは、マンスリーマンションや、ホテルでの宿泊だった。一軒家を持つことで、まちとの関わりが生まれる上、宿泊費も抑えられ来豊しやすい環境が整った。
 プラットの担当者は「アーティストは自分が見つけた魅力をさまざまな形で発信してくれる。角度を変え、磨けば魅力となる埋もれたものを見つけ出し、磨く力がある。さらにアーティスト同士の発信力が強い」と話す。 
 芸術家の育成や支援という側面もある。プラットでは年2回、オリジナル劇を市民らと制作。演出家は1カ月以上豊橋に滞在する。異なる環境や文化の中で過ごすことで、演出家自身の活動の幅が広がる期待がある。市民にとっても、滞在中に行われるワークショップへ参加でき、文化振興の可能性も秘める。
 豊橋と豊橋の外から来た人の活動の輪を広げるプラット。「豊橋のさまざまな面を見てもらい、アーティストには視野を広げてもらう。穏やかな環境で過ごし、思考の深まりにつながることを期待している」。
(飯塚雪)
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