新東名高速道路が開通して1年を迎える新城市。今年は隣接する浜松市北区が舞台となるNHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」が8日から放送開始され、ゆかりの地が点在する新城にも来訪者が見込まれる。高速道路だけでなく国道257号でもつながる県境地域で連携した取り組みで誘客を図る。秋には任期満了に伴う市長選と市議選が行われる。
昨年2月13日に開通した高速道路は新城インターチェンジが設置された。アクセスの良さから交通圏が拡大し、観光地やイベントで来訪者数が増加した。今月5日に行われた新城市商工会の新春懇談会で地元選出の峰野修県議は「県外からの常連客ができたという商店もある。新東名高速道路の開通効果を地元で実感することが望まれる」と話した。
大河ドラマは戦国時代に遠江の井伊谷城(現浜松市北区引佐町)の城主となった井伊直虎が主人公。直虎の養子・虎松は鳳来寺で幼少期を過ごした後、徳川家康に仕えて井伊直政となった。
新城市は昨年11月に鳳来寺や、静岡県境に位置する山吉田地区の柿本城、南部の宇利城で関連があり、それぞれ「ゆかりの地」の旗を設置。また新城市観光協会は浜名湖北岸の奥浜名湖観光協会と共同で「タイガープロジェクト」を立ち上げた。
プロジェクトでは新城市と浜松市北区でそれぞれゆかりの地をめぐるスタンプラリーや、歴史を振り返るフォーラムを行っていく。
一方、観光面だけでなく住民向けの新東名効果も展開される。新城市街地と名古屋市東部を結ぶ高速乗合バス「山の湊号」は、新城市内の停留所を増やして利便向上を狙う。新城から名古屋の会社、大学に通勤通学する人向けにと、中心部やIC近くでパークアンドライド場所を整備する。
一方、11月12日に任期満了を迎えるのが市長と市議会議員。ともに選挙戦が行われる。市長選は現職で3期務めている穂積亮次氏が進退に関して明らかにしていない。
(安藤聡)