2017(平成29)年、田原市は防災事業で大きな進展を目指すほか、地方創生の要となるシティーセールスを前年に引き続き力を入れていく。
防災事業では、地域防災力強化として市が海抜の低い太平洋沿岸部に位置する旧堀切小学校跡地に整備を進めている津波避難マウンドの上部工事が本格化、17年度内に完成を目指している。現在は基礎部分の工事が約70%まで終了し、計画通りだと上部工事は7月以降にも始まる見通しという。
また、同じく津波避難対策として整備計画がある小中山地区の津波避難マウンドに関しては、17年度中に用地取得、地質調査、設計までの展開を予定している。
一方、昨年の受け入れ件数が爆発的な伸びを見せた「ふるさと納税」について、市は「制度が持つ本来の意義をわきまえながら、返礼品の充実などを図り、田原の知名度向上に努めていく」としている。定住・移住促進政策で実績のあった住宅取得に伴う奨励金は前年に続き実施する方向という。
春で2年目を迎える東京事務所は、1年目に築いたネットワークなどを生かし、本庁と連動しながら観光や農産物のPRなどによるシティーセールスを戦略的に展開しつつ、産業誘致も地道に働きかけていく構え。
山下政良市長が掲げる「サーフタウン構想」は実施済みのアンケート調査結果を具体策としてどう反映させていくかについて可能性などを考えていく。さらに構想実現に向けては、サーフィンと観光を結びつけ、市全体でサーファーや観光客の受け入れ体制に関わる環境整備を進めていきたい考え。
東三河の首長らによる新春懇談会で山下市長が触れた、バイオマス発電施設も新たに注目が集まりそう。市は「複数の企業が意向を示しており、調整している段階」と現状を説明する。
イベント関連では渥美半島・伊良湖岬を舞台にした島崎藤村の叙情詩「椰子(やし)の実」を現代に再現する、やしの実投流が30年目の節目を迎える。5月末には沖縄県石垣島の沖合いで、参加者らが船上からプレートを付けたやしの実を伊良湖岬へ流れ着くことを願い投流する。
(千葉敬也)