豊橋市教育委員会がキャリア教育を推進し、顕著な功績が認められるとして文部科学大臣表彰を受けた。市教委は10年ほど前から、キャリア教育を「生涯にわたって自分の生き方を考え、自己実現に向けて努力できる人間の育成」と捉え、「生き方教育」として小中学校で実施、その取り組みが評価された。県内では他に小学校、中学校の各1校が表彰された。
市教委は、小学校6年間と中学校3年間の小中一貫したキャリア教育の推進を教育施策の三本柱の一つにする。
中でも、豊橋商工会議所と連携した職業講話「ビジネスパーク」は2008(平成20)年度から市立中学校の2年生を対象に続く。企業などが派遣した講師が学校を訪れ、体験を交えながら仕事を生徒に紹介。将来の目標を持つ大切さなども話している。本年度は22校のうち18校で実施した。
教員のキャリア教育に関する研修会も行っているほか、市内の全小学3年生を対象に教育文化施設の市こども未来館「ここにこ」を活用した模擬職業体験「いきいき体験活動」を行い、小学生の段階から職業観を育成している。
各中学では職場体験が実施され、本年度からは新たに全中学2年生を対象に職業の特性などをみる「職業レディネス・テスト」を体験前後に活用している。「自分では気づかない点を発見できた」など生徒からも好評という。
キャリア教育の文科大臣表彰は10回目の今回、小・中学校、特別支援学校、青年会議所など全国で104団体で、このうち教育委員会は11市町村。表彰式は17日、東京都内で開かれた。
豊橋市教委の山西正泰教育長は、表彰に「先生たちは自信を持ってキャリア教育に取り組んでもらい、子どもたちには生き方を見つけて育ってほしい」と話した。
(中村晋也)