田原市出身で同市ふるさと大使も務めるフリークライマー・尾川とも子さんの講演会が11日、田原市総合体育館が開かれ、「夢は諦めなければ叶う」などと語った。
　尾川さんは日本人女性初のプロフリークライマーとして知られ、競技の性格が似ているボルダリングでは２０１２（平成24）年に世界の女子史上初となる難度Ｖ14を制覇した。
　この日の演題は「前向き思考で壁に挑戦～世界初へのチャレンジ」。「ずっと続けるからこそ夢は叶う」とし、自身の経験から夢の実現は目標達成に向けたプラス思考と、「こうなりたくない、嫌だと思うこと」など、自分の理想像と反対の考えによるバランスが継続力として働くことを説明した。
　尾川さんは「夢を持ち続けること、思い続けること。シンプルで当たり前のことだけど、それが難しく、夢への近道でもある」と持論を述べた。また、高校時代は放送部員だったため、東京五輪ではスポーツクライミング競技で解説者を狙っていることにも触れた。
　後半はボルダリング体験会もあり、参加した子どもや大人たちが尾川さんのレクチャーを受けながら高さ約２㍍の壁に挑んだ。
　ボルダリングは傾斜のある壁を指先の力などを使い、突起物たどりながら登っていく競技で、２０２０年東京五輪ではスポーツクライミングとして新競技になる。
（千葉敬也）