豊橋商工会議所は、豊橋地区の事業所などを対象に環境技術の開発、環境対策への取り組みなどを表彰する本年度「環境経営賞」の最優秀賞に紅久商店、優秀賞に環境テクシス、奨励賞にマイシンを選んだ。22日の議員総会で表彰する。
　金属原料リサイクル業の紅久商店は、小型家電や、鉄スクラップ切断加工工程で発生する混合廃棄物（ギロチンダスト）から、プラスチックと金属をほぼ完全に分離できる業界初の乾式ラインを開発し、本社工場で稼働させている。
　システムは独自仕様に改善して導入し、プラスチックの混入をほぼゼロにした金銀滓（かす）や、金属の混入をほぼゼロにしたプラスチックの回収を実現。ギロチンダストからも鉄、非鉄金属などの有用金属をほぼ１００％回収できるようになった上、最終処分量を削減でき、収益が増加した。乾式ラインにより、廃液・汚染水の発生も抑制できた。
　環境負荷の発生を抑えながらリサイクル率を向上、収益も改善した同社は、愛知県の今年の愛知環境賞で銀賞も受賞している。
　また、環境テクシスは、大学などとの研究により、食品廃棄物の種類に応じ保存処理、加工方法、加工機器を選択することで幅広い種類の廃棄物のリサイクルを可能とするシステムを提案。現在、もやし、豆腐、ビールなどの製造業でこのシステムが稼働し、年間約５０００トンの飼料を供給している。
　運輸業のマイシンは、計画的な低燃費車の導入、更新を進めるほか、自ら記載する走行管理表などでドライバーへの意識付けなども行い、５年前に比べ約18％の燃費向上につながった。また、本社の事務所や駐車場、荷さばき場などで照明のＬＥＤ化を進めている。（中村晋也）