東三河広域連合会・産業と地域を支える人材育成プロジェクトによる人財育成セミナーが８日、豊川商工会議所であり、合同会社おもてなし創造カンパニーの矢部輝夫代表が「新幹線劇場『７分間の奇跡』世界一の現場力」と題し、経営者や人事担当者ら約１００人を前に講演した。
　かつて事故やクレームも多かった新幹線の清掃会社を、ハーバード大学が経営学修士（ＭＢＡ）のケーススタディに採用するなど世界から注目されるおもてなし集団「ＴＥＳＳＥＩ」に生まれ変わらせた手腕を紹介。
　東京駅で新幹線が停車する約12分間で、車内の清掃時間は７分間しかないことを挙げて、職員らには礼儀やあいさつ、迅速な行動やさわやかな態度を徹底。「さわやか、あんしん、あったか」の精神を強調して「私たちとの出会いを『思い出』というお土産として持ち帰ってもらう。しなやかさや柔軟さで想定外の出来事に臨機応変に対応すれば、人が喜び、感動する『おもてなし』につながる」と話した。
　制服など「お掃除屋」と思わせない手段も紹介しながら、職員をまとめるリーダーのあり方に「怒らない」「否定しない」「助ける（サポートする）」「指示する（最小限に）」の頭文字から「おひたし」の精神も訴えた。
（由本裕貴）