「県障害者差別解消推進条例」(2015年12月制定)に基づき、ハード、ソフト両面でのバリアフリー化に向けた感環境整備に取り組んでいる県は、同取組の一環として、名古屋市や豊橋市などと協力。「ヘルプマーク」の県内一斉配布を7月20日から開始する。
大村秀章知事が4日の定例記者会見で発表した。
ヘルプマークは、義足や人工関節を使用している人、内部障害や難病の人、妊娠初期の人など、外見からはわからなくても援助や配慮を必要としている人が、周囲の人に配慮を必要なことを知らせることで、援助を得やすくなるよう、東京都が2012年10月に作成した。
縦8・5㌢、横5・2㌢のビニール製のカードで、目立つ赤色の地に白十字と白のハートが貼り付けられている。ストラップを使用してカバンなどにつけられるほか、付属のシールを使って伝えたい情報をカードの片面に貼ることもできる。
県では、大村秀章知事が昨年7月に、「ヘルプマーク普及活動の会」の小崎麻莉絵代表から話を聴き、その必要性を認識。その後、12月県議会でも一般質問での議論を踏まえ導入を決めた。
また、県と歩調を合わせて政令市の名古屋市をはじめ、中核市の豊橋、岡崎、豊田各市も同調。今年度予算で県が1万7000個、政令市、中核市などが合わせて3万2000個、計5万個を作成、当面の配布分が準備できたため、7月20日から県下一斉に配布を始めることにした。
主な配布場所は、各市町村福祉関係課、県保健所などで、配布方法は対象者、または家族などの代理人の口頭申請で、障害者手帳などの提示や申請書の提出は不要。
県ではヘルプマークの普及を図るため、配布に先立ち、啓発ポスター6700枚を作成し、主要駅構内や電車、バスに掲出するほか、リーフレット10万枚を作成、県内すべての小中学校・高校に配布するなど全県的な普及啓発に取り組む。
また、配布開始日には名古屋市と共催でJR名古屋駅前ガーデンタワーズ・桜通り口などで大村知事、河村たかし、名古屋市長、小崎ヘルプマーク普及活動の会代表らが街頭啓発キャンペーンを行う。
さらに、全県的な普及活動を図るため、民間事業者を「ヘルプマーク普及パートナー」として登録し、県と一緒に普及活動を行う「ヘルプマーク普及パートナーシップ制度」を創設。4日から募集を始めた。登録事業者は、県ウェブページで公表するとともに、先進的な取組事例を紹介するので、登録事業者は「障害者に理解のある企業」としてPRすることができる。
(後藤康之)