蒲郡の土砂崩れで捜索救助犬活躍

2024/09/01 12:00(公開)

豊橋の市民団体「HDS K9」が活動への理解訴え

 

 8月27日夜に蒲郡市で発生した土砂崩れ災害で、豊橋市の市民団体「HDS K9」の捜索救助犬が行方不明者を発見した。団体は活動への理解と協力を呼び掛ける。
 メンバーによると、ニュースで土砂崩れを知り、蒲郡市役所に協力を申し出た。3頭を連れて28日午前2時20分頃に市役所に到着。警察の先導で現場に入り、午前4時頃から捜索を始めた。
 間もなくラブラドールレトリバーの「スー」とベルジアンシェパードの「リッター」が同じ場所で吠え、人がいることを伝えたため、現地の指揮本部に報告した。また午前10時半頃の捜索でも同じ反応を示したという。いったん撤収したものの、夜になって再度の捜索依頼があり出動した。犬が反応を示した場所からは70代と30代の男性が発見されたが、残念ながら死亡が確認された。
 団体は2022年に静岡県熱海市で起きた土石流災害や今年1月の能登半島地震にも出動し、不明者の捜索や人命救助をしている。災害現場に早期に犬を投入できれば命が助かる可能性が高まる。発災間もない現場に民間団体が入るためには公的機関側の理解と協力が不可欠だ。

支援企業やCFで協力金も募集中

 

 また、ボランティアの位置づけなので、資金調達が常に課題となっている。継続的に支援してくれるスポンサー企業を探している。今回の出動経費をクラウドファンディング(CF)で募っている。ほかにも機材や衣服など支援と、訓練場の提供があるとありがたいという。
 一方で、報道機関にも注文をつけた。捜索中、土砂崩れが起きた斜面の上部に記者らしき人の姿を目撃したという。「危険だし、もし何かあったら捜索救助に従事している人員を割かなくてはならなくなる」と訴える。さらに「報道ヘリコプターが近づくと、要救助者の声や呼吸音のほか、地鳴りなどの災害の前兆音が聞こえなくなる。せめて、不明者が発見救助されるまでは接近は控えてほしい」と呼び掛けた。

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山田一晶

1967年三重県生まれ。名古屋大学卒業後、毎日新聞社入社。編集デスク、学生新聞編集長を経て2020年退社。同年東愛知新聞入社、取締役編集長。こよなく猫を愛し、地域猫活動の普及のための記事を数多く手掛ける。他に先の大戦に詳しい。遠距離通勤中。

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