渥美半島の図説本発刊

田原の元小学校長・藤代さん

　田原市豊島町在住の旧同市立和地小学校の元校長・藤城信幸さん（64）の図説「渥美半島　地形・地質とくらし」が、シンプリブックス（豊川市）から出版された。
　Ａ４判48㌻。藤城さんが小・中学校の教諭を務める傍ら40年にわたり集めてきた渥美半島の地形や地質と暮らしに関わる事象をまとめたもので、渥美半島を形成する地層などについて内訳や写真などで詳細に紹介されている。
　中央構造線外側に沿って東西に並ぶ山地の周りに、静岡県の天竜川方面から運ばれた砂礫が堆積、厚い地層ができ、地球規模の海面変動とフィリピン海プレートの沈み込みによる隆起運動が加わり、現在の渥美半島の地形ができた様子がよく分かる。
　この渥美半島について、地層と地下水との関連をはじめ、沿岸流による海浜砂礫の移動や、海食崖と過去の津波被害、台地の傾きを生かした豊川用水の流路、ボーリングデータから捉えた過去の地震被害などの内容を交えながら、写真や地図をできる限り一冊にまとめた。刊行にあたり、神野教育財団（豊橋市）から助成を受けた。
　藤城さんは「多くの人たちのおかげでまとめることができ、とてもうれしい」と話している。
　１２００円（税別）。精文館書店の本店と田原店、豊川堂の本店と田原店、またアマゾンで販売されている。
（小島幸子）