豊川の赤塚山公園がネコギギ大量繁殖成功

　豊川市の赤塚山公園は今年も、国の天然記念物で、豊川（とよがわ）に生息するナマズ目ギギ科のネコギギの繁殖に成功した。昨年は１匹のみだったが、今年は４９０匹と大量繁殖に成功。市田町の同園内にあるぎょぎょランドで展示している。
　今年は繁殖期の６月下旬から７月上旬にかけて多数の卵が生まれ、約３日後に孵（ふ）化。順調に成長し、生後約２カ月で体長３㌢ほどまで大きくなった。このうち１００匹がぎょぎょランド１階ロビーの水槽で元気に泳ぎ回っており、孵化の様子などを記録した動画も紹介している。
　日本固有種のネコギギは三河湾や伊勢湾周辺の河川にしかいない魚。学術的にも珍しく１９７７（昭和52）年に国の天然記念物に指定された。ぎょぎょランドでは11年前からネコギギを展示しており、人工繁殖している国交省設楽ダム工事事務所の勧めもあり、一昨年秋から初めて繁殖に挑戦していた。
　ネコギギは顔にネコのようなひげがあり、「ギーギー」と鳴くことから命名された。夜行性で光を嫌い、日中は暗い物陰に隠れている。成魚になると体長13㌢ほどまでに大きくなる。
（由本裕貴）