茶に特化したキッチンカー「Teaful new York」の挑戦

2024/09/22 06:00(公開)
キッチンカー「Teaful new York」

 豊橋市を中心に東三河で抹茶ラテなどお茶を使った飲み物や焼き菓子をキッチンカー「Teaful New York」で販売しているクレーグ薫子さん(40)。昨今キッチンカーは多いが、お茶に特化したキッチンカーは見たことがない。なぜお茶なのか。取材した。

 

日本人より米国人に親しまれる「違和感」

 

 薫子さんは、20代半ばで調理師免許を取得し、料理教室の講師などをしていたが、知識や経験の不足を感じて10年前、単身で米ニューヨークに渡った。日系の料理店やデザート専門店などで世界から集まる料理人と互いに鍛え合う刺激的な日々を送った。

 

 そんな中、新型コロナウイルス禍で帰国を余儀なくされ、日本人のお茶の扱い方に強い違和感を覚えたという。

 「ニューヨークでは抹茶ラテの専門店、お茶の専門店もあり、『matcha』という日本語も理解されています。抹茶が大好きで茶せんで茶をたてて毎朝コーヒー代わりに飲む人もいるほど。ところが日本ではごく一部のチェーン店でしか抹茶ラテが飲めません。喫茶店では圧倒的にコーヒーで、抹茶のメニューもなければ抹茶ラテすらないところがほとんどです」と語る。日本の文化なのに米国の方がはるかに親しまれていることが違和感の理由だ。

 

ニューヨークで修業する薫子さん(中央)。世界から人が集まる場所で刺激を受け続けた(提供)

お茶や抹茶をもっと愛して

 

 薫子さんは、一人でも多くの日本人にお茶がいかに世界で愛されているか、またお茶自体の魅力を感じてもらうための取り組みを始めた。

 それがお茶を使った飲み物や焼き菓子専門のキッチンカー「Teaful new York」の運営だ。米国で培った料理人としての観点で、お茶を使ったスイーツやドリンクをアレンジしてお茶のおいしさを伝えている。

 

海外進出も視野

 

 薫子さんは「『teaful』は、お茶の『tea』に『ful』をつけて、皆さまの日常がお茶でいっぱい、お茶で満たされてほしい、そんな願いからの造語です。まずは日本人にお茶や抹茶を愛してもらい、海外に最高品質のお茶を背負って進出したいです」と笑顔で抱負を語った。

 

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関健一郎

鎌倉市出身の45歳で四人の子育て真っ最中。NHK記者として11年仕事をしてきた。その後、豊橋に住んで今年で10年目。東三河地域でいまだ日の目を見ぬ素晴らしい取り組みをしている企業に東愛知新聞で光を当てることができるよう取材している。趣味はサッカーと筋トレ。

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