ユニチカから豊橋市に26億余円入金

2020/09/01 00:00(公開)
 豊橋市は31日、曙町の土地売買をめぐる名古屋高裁判決確定(7月)を受け、大手繊維メーカーのユニチカ(大阪市)から総額26億余円が入金されたと発表した。最高裁が上告を棄却したことを受けて市が8月27日付で同社へ損害賠償金と遅延損害金の支払いを求めていた。一連の問題は住民側の提訴から4年ぶりに決着した。
 ユニチカは2015年秋、閉鎖していた事業所跡地約27万平方㍍を大手住宅建設の積水ハウスに売却した。しかし、市が豊橋事業所を誘致した際に結んだ1951年の契約書には「敷地の内で使用する計画を放棄した部分は、これを市に返還する」とあった。そこで市民130人が原告となり2016年8月、ユニチカが土地を返還せず売却したのは契約不履行などとして、佐原光一市長を相手取り、売却代金を請求するよう求める住民訴訟を起こした。
 1審・名古屋地裁は18年2月、市長が同社に対し、63億円の支払い請求するよう命じる判決を出した。市は控訴し、名古屋高裁は昨年7月、1審判決を変更し、21億円の支払い請求を市長に命じた。このため、原告と市、ユニチカが上告していた。最高裁が7月21日付で原告、被告双方の上告を棄却し、名古屋高裁判決が確定した。
 ユニチカは高裁判決後、訴訟損失引当金として25億6600万円を計上していた。
【安藤聡】
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