任期満了に伴う豊橋市長選は、1日に告示される。五十音順に元県議の浅井由崇氏(58)、現職の佐原光一氏(66)、弁当販売業の鈴木美穂氏(46)の3氏が立候補を予定する。選挙戦をリードすると見られる浅井、佐原の両陣営は31日、市内で演説をするなど、本番開始へ臨戦態勢に入った。
浅井氏は同日夕、豊橋駅東口で13年間の県政報告を兼ねた街頭演説をして、約200人を前に豊橋の未来像とリーダー像を語った。
東京から移住者を取り込むための教育や産業振興を図り、人口増につなげるとした。リーダー論は「どれだけ豊橋を愛せるかだ。街の復活と再生に命を懸ける」と力強く訴えた。
浅井氏は早朝の街頭活動や地元企業回りなど地道に知名度アップを図ってきた。後援会の中西宏之会長は「顔と名前が浸透してきた。最近は街宣車を追いかける市民も増えた」と好感触だ。前回県議選の得票2万2000票余からの票の上積みを目指す。「序盤から中盤でいかに印象付けるか」が課題という。
4選を目指す佐原氏は午後から自民党の県議と市議とともに市中心部や豊橋総合動植物公園前などで街頭演説をした。
動植物公園前では、この12年間で入園者年間100万人を目指し、ゾウやキリン、ライオンの放飼場の改修したこと、前年度で96万人を達成した実績を強調し「来園者に最大限のおもてなしをし、動物たちが楽しく暮らす姿を見てもらえるよう園内の改革を進めてきた」とアピールした。
そして「『ゾウの群れ飼育』も実施し、のんほいパークがもっと成長できるようにしたい」と熱く語った。
陣営の1人は「佐原氏は公務がある中で、自民と公明の公職者、後援会で準備を進め、3期12年の実績を伝えてきた。今後4年間を見据え、有権者の良識ある判断を期待します」と話した。
鈴木氏は、牛川通3の事務所で支援者に告示日当日の行動について指示をした。「やるしかない。多くの人に政策を伝えていきたい」と意気込みを話している。
告示日午前に各陣営が出発式をする。
浅井氏は午前9時半に向山町の向山アピタ・マイルストーン駐車場で、佐原氏は同10時半に西幸町の選挙事務所前で。鈴木氏は同11時に牛川通3の事務所を出発する。
市選挙管理委員会によると、10月31日現在の選挙人名簿登録者数は30万233人(男15万153人、女15万80人)。
【安藤聡、加藤広宣】