美術家の味岡さん現代アートを語る

2022/02/06 00:00(公開)
対談集を手にする味岡さん=春夏秋冬叢書で
対談集を手にする味岡さん=春夏秋冬叢書で
 豊橋を拠点に活動する美術家、味岡伸太郎さんの対談集「自我と無作為とインスピレーションと美術と自然と人間の旅と継続」(A5判、128㌻)が、春夏秋冬叢書(豊橋市菰口町)から出版された。
 2012年に豊橋市美術博物館で開かれた、あいちトリエンナーレ地域展開事業「現代美術展in豊橋」から、2021年に東京と浜松のギャラリーで開いた「えんちゅうのしぶんのいちのしかくちゅう2004―2021」までの個展会場であった味岡さんの4対談をまとめた。主に現代アートについて語り合った。
 対談相手は、元豊田市美術館館長の村田眞宏さん、編集者の桜井拓さん、あいちトリエンナーレ2016芸術監督の港千尋さん、愛知県美術館館長の拝戸雅彦さん。
 村田さんは「現代アートは人々から離れてしまう側面がある。それを多くの人と共有し共感する場の美術館で紹介するのは難しい仕事だった」と語る。桜井さんは「現代美術の本質は根源を問い直すことだが、実際はどうやってマーケットに乗せるかの競争になっている」など述べている。
 味岡さんは「現代アートは、アインシュタインの相対性理論のようなもので、ほとんどの人は理解できない。だがそこから大きなものが生み出される。難しい現代美術の世界を少しでも分かりやすく語りつくした対談集です」と話す。
 1500円(税別)。問い合わせは春夏秋冬叢書(0532・33・0086)へ。
【竹下貴信】
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