蒲郡の製麺会社が端材をビールなどに生まれ変わらせる

2024/10/25 06:00(公開)
端材から生まれ変わったタンブラーを持つ金トビ志賀の関係者ら=蒲郡商工会議所で

 蒲郡市丸山町の乾麺製造「金トビ志賀」は、アサヒグループのサステナビリティ事業「アサヒユウアス」(本社、東京都)と協力し、製粉製麺の製造で発生するきしめんの端材などをクラフトビール(発泡酒)やリユースカップに生まれ変わらせ、製造ロスの課題解決に取り組んでいる。

 

 金トビ志賀の製造工程では年間ベースで、きしめんの端材7㌧、小麦のふすま750㌧、小麦粉の銘柄を切り替える時に起きる原料ロス9㌧が発生している。いずれも家畜の餌としてリサイクルされてきた。

 原材料が高騰する中で、無価値な素材としてではなく、原料の有効活用できる方法を模索していた。昨年頃、県のサーキュラーエコノミーのチームを通じて、地域連携でのアップサイクル商品開発の実績があるアサヒユウアスとつながることができた。

製造工程で発生してしまう端材

食べる容器も開発中

 

 2者は今年1月から、端材を活用した新たな商品を生み出す取り組みを始め、リユースカップ「森のタンブラー」とクラフトビールの開発を進めている。ビールは小麦由来のさわやな香りと酸味をベースに、蒲郡特産のミカンの規格外品をパウダーにして加えた。アサヒユウアスを中心に仕込み作業をしている。

 タンブラーは小麦のふすまとリサイクルプラスチックを組み合わせて作った。丈夫で壊れにくいほか、ほのかに小麦の香りがする。また、碧南市の企業と連携し、耐水性がありながら食べられる容器「もぐカップ」の開発も進めている。

 今後は市サーキュラーエコノミー推進事業の実証実験プロジェクトのサポートを受け、市場受容性と事業として成り立つかのテストマーケティングをし、検証する。25~27日には、東京ビッグサイトで開かれるサステナブル、ライフスタイル展示会「GOOD LIFE フェア2024」に出展し、ビールをテスト販売する。タンブラーと容器の展示販売も考えている。

開発中のクラフトビール=蒲郡クラシックホテルで
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林大二朗

 愛知県蒲郡市生まれ。2020年、地元蒲郡が好きで東愛知新聞社に入社。同年から蒲郡担当、市政や地域行事、文化など全般を取材。ドローンを使って東三河の名所を空撮したルポ「大二朗記者の空からの訪問」を不定期連載。これまで、三河大島や三河国分尼寺跡、日出の石門などを空撮してきた。ドローン技術向上のため、国家資格「一等無人航空機操縦士」を24年に取得。読者の皆さんが楽しんでもらえる記事と記憶に残る写真を掲載できるよう、日々、頑張っていきます。

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