蒲郡市は17日、同市西浦町の知柄漁港と周辺エリアの活性化に向けた整備基本構想を市議会経済委員会で報告した。2023年度から港を核とした再整備などの将来の目標像を描こうと策定に取り組んできた。
知柄漁港は1996年に、県の事業でできた港。深海魚を水揚げする沖合底びき網漁船の拠点となっている。近くの鮮魚マーケットには新鮮な海産物を買い求める市内外の人が訪れている。一方、施設の老朽化や近隣で鮮魚を食べられる飲食店がなく、アクセス道路も狭いなどの課題があった。
市は港にマリンスポーツなどの体験型アクティビティーが楽しめ、新鮮な魚介を食べられて買い物もできる施設を整備し、魅力的で活気のある場所にする方針。地域経済に関わる人の意見を取り入れながら、現状の課題を整理し整備エリアを決めた「ゾーニング図」の作成や方向性を今年3月にまとめた。
基本方針は港をはじめ、周辺の街並みや自然などの地域資源を活用し、産業と交流の拠点エリア形成を目指すため、漁協、民間企業、観光協会、商工会議所などの官民連携で取り組む。エリアを「水産業」▽「海業」▽「緑地」-の三つのゾーンに分けて整備することを考えている。
「水産業」は漁業関係者が活動する。水産業の持続性確保に向けて、衛生管理型荷さばき施設の整備と未利用魚を活用した6次産業化を推進する。
「海業」はにぎわい交流の拠点。水揚げした旬の魚や新鮮な魚介の販売と飲食、漁業体験、マリンスポーツが楽しめる場にし、漁業関係者や地域住民との交流を通して知柄ファンを増やす。
「緑地」は来訪者が癒やしを感じられる海浜緑地にする。散策路やトイレ、駐車場の設置、マルシェやキャンプ、バーベキューなど多目的な活用ができる場所にする。住宅地と結ぶ道路を整備しアクセスを向上させる。
基本計画や工事契約などが順調に進めば、最短で「水産業」の荷さばき施設を29年に操業させ、「海業」と「緑地」は31年をめどに開業させる。
今年度、「海業」と「緑地」で指定管理者方式やPFI方式を含めた民間活力導入可能性調査に取り組む。水産業は漁協が中心となり、基本計画を決めていく。
委員会では同時に進めている東港地区の開発や道の駅の兼ね合いについての質疑があった。市は連携して進めていきたいと答えた。
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愛知県蒲郡市生まれ。2020年、地元蒲郡が好きで東愛知新聞社に入社。同年から蒲郡担当、市政や地域行事、文化など全般を取材。ドローンを使って東三河の名所を空撮したルポ「大二朗記者の空からの訪問」を不定期連載。これまで、三河大島や三河国分尼寺跡、日出の石門などを空撮してきた。ドローン技術向上のため、国家資格「一等無人航空機操縦士」を24年に取得。読者の皆さんが楽しんでもらえる記事と記憶に残る写真を掲載できるよう、日々、頑張っていきます。
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