豊橋球場廃止で跡地へ新アリーナ建設

2023/06/01 00:02(公開)
豊橋球場跡への再配置で新アリーナ整備方針を示す浅井市長=市役所で
市が整備基本計画案の中間報告

 豊橋市は5月31日、豊橋公園(今橋町)で建設を目指す「多目的屋内施設」(新アリーナ)の整備基本計画案の中間報告を発表した。公園内の豊橋球場を解体し、跡地に建設する。候補地が河川の浸水区域に含まれた問題に端を発する計画策定の遅れなどから、市は完成時期を2027年度中と見込んだ。2日の市議会委員会の審査会で説明する。
 基本計画で、新アリーナは運動施設が集まる公園東エリアでの整備方針を掲げてきた。5000人収容で、市民スポーツ施設のほかプロスポーツやコンサートなどのイベント利用、防災拠点の機能を備える。アリーナには老朽化が激しい付近の市武道館の機能も集約、複合化する。
 廃止される豊橋球場は、2027年度中をめどに市豊橋総合スポーツ公園(神野新田町)の未整備区画へ移設する。現在はモータープールなどになっている約10㌶に観客席を備えたメイン球場のほか、練習用のサブグラウンドも加え3球場を整備するという。
 市によると、豊橋球場は築70年超で施設の老朽化が進んでいた。ほかの市営2球場も含め、駐車場不足や夜間照明による周辺住民の「光害」なども課題だった。新球場移設でこれらの課題を同時に解決する方針。
 新球場の建設とアリーナ整備に伴う豊橋球場の廃止で利用できない期間も生じるが、サブグラウンドを25年度中に整備するなどして空白期間を短縮したい考えだ。
 新アリーナ候補地の変更に伴い、周辺施設の再配置案も示した。豊橋球場南側の児童遊園を駐車場(400台)にしたうえで、市美術博物館東隣に「こども広場」を再整備。現在3カ所に点在するテニスコートは武道館付近に集約する。
 市は新アリーナの整備費を約150億円と見込んだ。最近の人件費や建築資材の高騰、働き方改革に伴う工期延伸などが影響し、21年度に示した100億円から1・5倍に増える。別途、公園内再配置に34億円、豊橋球場の移設費に36億円をかけるため総事業費は220億円に上る。
 浅井由崇市長は「国や県の補助金のほか、県の新体育館で用いたPFI事業のコンセッション方式で整備費をさらに圧縮できる見通しだ」との認識を示した。
 アリーナ整備は昨年5月、公園東エリアの朝倉川南側を候補地に選んだ。昨年11月には候補地の一部が、県が示す家屋倒壊等氾濫想定区域に含まれており、再整備の検討など整備基本計画の練り直しに伴い完成時期も遅れることになった。
 基本計画は2日の市議会総務・建設消防委員会連合審査会で説明する。バブリックコメントを経て10月頃から順次、要求水準書作成と事業者公募、25年度の着工を目指す。
 一方、豊橋市をホームとするバスケットボールBリーグ「三遠ネオフェニックス」は、26年の新リーグ参入要件の一つとして、5000人収容規模のアリーナ確保が求められている。
【加藤広宣】
解体される豊橋球場と、存続する陸上競技場 (C)Google Earth
新アリーナを含む豊橋公園内の再配置計画例
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