８月に札幌市で開かれる「第68回全国高校総合体育大会（インターハイ）」に、県立豊橋商業高校弓道部が個人戦と男子団体で出場する。長年指導する成田義雄さん（73）と顧問の朝倉千尋教諭（45）、出場選手に強さを支える指導方針や全国大会への抱負を聞いた。
　１９５７年創部以来、インターハイでは女子団体で計４回の優勝を誇る。男子団体は東海選抜優勝、男子個人では丸山敬照さん（２年）が県大会優勝、女子では田村芹愛さん（２年）が２位の好成績を収めた。
　躍進を支えるのは、35年間指導する外部コーチの成田さん。豊橋商業で66年に主将としてチームを率いた経験がある。教士７段まで上り詰めた弓の名手だ。
　成田さんは、常に生徒と一緒に弓を引く。「見て何かを感じ取ってくれれば良い」と語る。
　指導方針については「常に自分との勝負。気を抜くことなく、一生懸命弓道に向き合うように」と部員に呼び掛ける。朝倉教諭も「相手を意識したら負け」と平常心を保つ大切さを説く。
　全国大会で個人戦に出場の田村さんと、団体と個人に出場の丸山さんは、東海大会個人戦ではいずれも予選敗退。その理由として「心の乱れ」を挙げる。
　田村さんは「当てたい気持ちが先行し、頭が真っ白になった」という。丸山さんは「周りのレベルが高く緊張した。弓を持つ先手（さきて）がブレた」と語る。
　全国大会に向けて、田村さんは「練習を思い出して、落ち着いてプレーしたい」と決意。丸山さんも「自分らしい弓道をしたい」と意気込む。
　全国大会は、８月３～６日に札幌市の真駒内セキスイハイムアイスアリーナで。団体戦は、丸山さんら５人が出場する。個人戦は予選が４射中３中以上で通過、決勝戦では射詰め競射で順位を決める。
　同校では簿記部や情報処理部も全国大会に出場する。同窓会の田辺憲一会長は少しでも部員のためになれば良いと教育振興基金を募る。
　振り込み先は豊橋信用金庫の店番「０２５」、口座番号は「０２３２９２２」、「同窓会長田辺憲一」。大会の遠征費などに充てる。
　問い合わせは、豊橋商業高校（０５３２・52・２２５６）へ。
　出場選手は次のみなさん。（敬称略）
　男子団体＝野本歩夢、丸山敬照、工藤嵩史、畠山拓真、鎌子晋伍、辻海晴▽男子個人＝丸山敬照▽女子個人＝田村芹愛
【北川壱暉】