任期満了に伴う豊橋市長選は10日投開票され、無所属新人で元市議の長坂尚登氏(41)が4万5491票を獲得し、いずれも無所属で現職の浅井由崇氏(62)、新人の近藤喜典氏(45)と蔵地雅彦氏(65)を破り初当選した。投票率は43・43%で、前回を0・29㌽上回った。
長坂氏は既存政党など組織の推薦は受けず、市議時代からの支持者を中心とする市民有志の後押しで選挙に挑んだ。市が豊橋公園に建設する多目的屋内施設(新アリーナ)の計画を巡っては市議会で一貫して反対を唱えており、浅井氏の「公約違反」を主張した。市長選への出馬会見で契約解除を公約に掲げた。
選挙戦ではほかに、子どもに寄り添った子育て教育をはじめ、自治会やPTAの組織見直し、ごみ個別収集の一部導入へ向けた実証実験などの施策を挙げた。子育て教育関連では児童相談所開設や居場所づくりを進めるとした。さらに長期的な視野で吉田城跡の整備も掲げた。
9年半の市議生活で支持者を増やし続け、今年だけで100回を超える市政報告会や対話集会などを重ねた。浅井氏と近藤氏が新
アリーナ建設賛成票を奪い合うのをよそに、現職への批判票や反アリーナ票を効果的に取り込んで、支持基盤を固めたとみられる。
この日は午後11時の開票速報で長坂氏の当選が確実になると、支援者と一緒にバンザイをして喜びを分かち合った。
長坂氏は「大きな重圧を感じる。すべての市民の代表として仕事をしたい。過去の市議選と比べても有権者の反応や声援の多さなどに手応えを感じた」と選挙戦を振り返った。
公約に掲げた新アリーナ建設の契約解除は「市長権限で可能なことは議会答弁で確認済みだ。就任後にはすみやかに事業者へ解除通知したい」とした。アリーナを推進する2候補の合計得票を下回ったことから、今後は建設要望が強まる可能性について「現在の契約を解除した上で、アリーナ建設の賛否を含めたやり直しを考えるべきだ」と持論を示した。
市長の公選制が敷かれた戦後で、現職が1期で敗れるのは初となる。浅井氏は「訴えが届かなかった。新アリーナが争点とすれば、結果的に推進派の市民が多数を占めたことになる。次期市長には、この市民の声を受け止めてほしい」と計画解除を思いとどまるよう求めた。
近藤氏は「本当に悔しいが、結果を真摯に受け止めたい。家族や関係者と話し合って、これからできる政治活動とは何かを考え続けたい。何らかの政治団体として活動もしたい」と語った。
市長選の様子は公式YouTubeからチェック
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