13日からワイヤレス給電の公道実証実験

2024/01/07 00:03(公開)
貸出車両と充電装置を披露する阿部社長㊨
電動キックボード活用で豊橋市とパワーウェーブ

 豊橋市と豊橋技術科学大学発ベンチャー「パワーウェーブ」は、次世代ワイヤレス給電技術を生かした電動キックボードを使った公道実証実験を13日から始める。中心市街地に複数の充電拠点を設け、一般利用者に有料で貸し出す。1カ月間で課題を検証し、目標の電気自動車(EV)での走行中給電システムの開発に生かす。
 二つの物体を電子が移動する静電気の仕組みを応用した「電界結合」の技術を生かし、充電器から車体底面の受電装置へ電気を供給する。
 ワイヤレス充電器は長さ130㌢、幅55㌢の板状。車体を載せると充電を始める。車体と充電ポートとのずれの許容範囲は10~15㌢程度。満充電で約45㌔走れ、充電完了に約8時間かかる。
 豊橋駅南口広場、市役所とエムキャンパス、「こども未来館ここにこ」の4カ所に充電スポットを設ける。電動キックボード10台(ワイヤレス式5台)を30分200円(保険料込み)で貸し出す。対象は16歳以上で運転免許不要。ヘルメットもそこで借りられる。
 使い終えた車両は最寄りの拠点へ返却し、ワイヤレス式車両は専用充電器に乗せる。車両が偏在しないよう、運営者のサーラグループが随時、車両を配置替えする。
 パワーウェーブは2021年度に同大発ベンチャーに認定。アスファルト舗装路での小型EV車の走行実験なども成功させた。阿部晋士社長は「実験で充電課題を洗い直したい」と述べた。
【加藤広宣】
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