「蒲郡ベンチアートプロジェクト委員会」は3日、蒲郡市海陽町のラグーナビーチに、トヨタ自動車創業者の豊田喜一郎氏(1894~1952年)をモチーフにした「0番目」のベンチを置いた。「ラリー三河湾」最終日に合わせ、同社会長の豊田章男氏ら関係者を招いた除幕式があった。
ベンチアートは、喜一郎氏の逸話に始まる。自動車生産を始めた頃、苦労する日々が続いた。悩むと仲間とよく蒲郡の海岸を訪れ、釣りをしていた。糸を垂れると面白いように釣れたが喜一郎氏は喜ぶと思いきや、「釣れぬ所に連れて行け」と言ったという。ゆっくり考え事をするために釣りに来たのだった。
トヨタの関係者から話を聞いた委員会の小池高弘会長は、蒲郡の海を眺めながら考え事や何かを感じるきっかけになってほしいと、プロジェクトを立ち上げた。これまで、5基を地元企業や市民団体の協力で竹島園地などに設置した。今回は、蒲郡ロータリークラブが創立70周年を迎えることを受け、その記念事業として制作を進めた。
ベンチの名は「見果てぬ夢」で、喜一郎氏のトレードマークだった丸い眼鏡のかけらが台地に突き刺さっているデザイン。ベンチに座り、氏が見ていた遠い未来の大きな夢のかけらを感じてほしいとの願いが込められている。
章男氏は「喜一郎は、この海の先に日本の豊かな未来を見ていたのだと思います。このベンチに多くの夢を持った人が集い、未来を創る活力になることを願っています」とスピーチした。
小池会長は「夢が実現しました。これからは、悩める人や考え事をする人の助けになる場所にしたい」と述べた。
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愛知県蒲郡市生まれ。2020年、地元蒲郡が好きで東愛知新聞社に入社。同年から蒲郡担当、市政や地域行事、文化など全般を取材。ドローンを使って東三河の名所を空撮したルポ「大二朗記者の空からの訪問」を不定期連載。これまで、三河大島や三河国分尼寺跡、日出の石門などを空撮してきた。ドローン技術向上のため、国家資格「一等無人航空機操縦士」を24年に取得。読者の皆さんが楽しんでもらえる記事と記憶に残る写真を掲載できるよう、日々、頑張っていきます。
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