荒らされた「さい銭箱」

2024/05/17 00:00(公開)
壊された豊川海軍工廠戦没者供養塔のさい銭箱=豊川市緑町で(提供)
豊川海軍工廠戦没者供養塔

 豊川稲荷の西側にある「豊川海軍工廠(こうしょう)戦没者供養塔」のさい銭箱が15日に荒らされた。1945年8月7日、2500人以上の犠牲を出した空襲の翌年に建立され、生き延びた人や地元の高校生たちが清掃活動などを続けている慰霊施設だ。
 発見したのは市内の高野伸一さん(62)。月に一度、ボランティアで清掃に来ている。ところが15日午前11時頃、供養塔前に来るといつもと違う気配を感じ、被害に気づいた。供養塔の下部には空襲犠牲者の動員学徒や女子挺身(ていしん)隊員の氏名が刻まれているが、「浄財」と書かれた箱がその前に置かれている。それが下に落とされ、現金が入っていた箱の後ろがこじ開けられていた。周囲には硬貨が散乱していた。「こんなことは初めて」と高野さん。
 管理する豊川稲荷によると、供養塔は誰でも近づけるうえ、周辺に監視カメラなどもない。「このようなことが過去にもあった。詳細は話せないが、こまめに見回りをしている」と担当者は話した。
 供養塔は空襲翌年の46年9月に生存者たちによって建立された。57年には生存者でつくる「八七会」が結成され、毎月7日と20日に清掃活動を続けてきた。しかし会員の高齢化が進んだため、2020年で活動を終え、豊川稲荷や高校生、奉仕団体に清掃や供養が引き継がれた。
【山田一晶】
箱の後ろがこじ開けられ、硬貨が散乱していた(同)
供養塔の全景。垣根の奥に「浄財」の文字が見える=2022年6月
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