蒲郡市の市民団体「西浦リボーン」は西浦温泉の全宿泊施設と連携し、客室にある使い捨て歯ブラシを「歯ブラシ置き」にアップサイクル(創造的再利用)する実証実験「TOOTH BRUSH TO UP」に取り組んでいる。プラスチック削減と利用客に自身の歯ブラシを持参してもらうことにつなげる。
西浦リボーンは西浦地区の魅力を高めようと旅館や飲食、マリーナなど幅広い業種の有志が集まったグループ。多くの人にまちの良さを体感してもらうための面白い企画を模索してきた。
2021年に、市が循環経済をまちづくりに取り入れた「サーキュラーシティ」を宣言した。これを受け、西浦を市内のモデルタウンにすべく、「サーキュラータウン西浦」と題し、フードロスやSDGs(持続可能な開発目標)の施策を考えてきた。この中で、おもてなしの重要性を配慮しながらも、コストがかかるのに、すぐ捨てられるアメニティーを客室に置く必要があるかを議論してきた。
昨年、全国の大学生を対象にした脱炭素社会実現に向けた研修が西浦であった。出席していた資源循環のコーディネーターの坂野晶さんと出会った。リボーンメンバーから相談を受けた坂野さんは、研修に参加した学生からアイデアを募集した。毎日、ごみになる歯ブラシを回収し、より長く使える歯ブラシ置きに作り変えることを提案され、採用した。
今年6月、旅館やホテルの宿泊施設関係者に声掛けして賛同をもらったほか、坂野さんを通じて同じコーディネーターの小林沙聡さんと群馬県でプラスチックのリサイクル加工を営む前原政輝さんも仲間に加わり、実証実験のプロジェクトを始めた。
実証実験は今月30日まで。各施設のフロントに設置した自作の回収ボックスで利用客が使った歯ブラシを集める。その後、前原さんの会社で粉砕し、ペレットにして大阪府のプラスチックの成形メーカーが歯ブラシ置きに生まれ変わらせる。1個作るのに500個の歯ブラシが必要となるが、低コストで作れるメリットがある。
完成後、フロントの従業員が利用客に歯ブラシを持参してきたかを聞き、持っていたら歯ブラシ置きを手渡し、プロジェクトの取り組みと資源循環の重要性を伝える。
リボーンメンバーの山村佳史さんは「実証実験が成功したら、マイ歯ブラシの持ち込みを促進させたい」と話した。
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愛知県蒲郡市生まれ。2020年、地元蒲郡が好きで東愛知新聞社に入社。同年から蒲郡担当、市政や地域行事、文化など全般を取材。ドローンを使って東三河の名所を空撮したルポ「大二朗記者の空からの訪問」を不定期連載。これまで、三河大島や三河国分尼寺跡、日出の石門などを空撮してきた。ドローン技術向上のため、国家資格「一等無人航空機操縦士」を24年に取得。読者の皆さんが楽しんでもらえる記事と記憶に残る写真を掲載できるよう、日々、頑張っていきます。
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