24日で99歳の岡田さんが思い出語る

2024/07/20 00:00(公開)
叙勲祝賀会のアルバムを前に思い出を語る岡田さん=豊橋市内で
繊維業発展や地域貢献に尽力、叙勲も受章

 豊橋市内の岡田宣弘さんは24日に99歳の誕生日を迎える。元繊維メーカーの経営者。「県横網ニット工業組合」の理事長として長らく産業振興に尽くしたことが認められ、1996年に勲五等瑞宝章が授与された。思い出を語ってもらった。
 広大な自宅に一人で暮らす。製糸業が盛んだった豊橋市。父もその業者だった。幼児の頃の家の建設作業風景をおぼろげに覚えているという。
 市立豊橋商業学校卒。徴兵検査で甲種合格し入営した。静岡県三島市の野戦重砲連隊に配属され、終戦を迎えた。本土決戦に備え、部隊は近隣の山で壕(ごう)を掘る毎日だった。「夜になると東京や横浜が空襲で燃えているのが見えた。戦争なんかするもんじゃないと思った」と振り返る。
 復員し家業を継いだ。間もなくガチャマン景気が始まる。豊橋市下地町に600坪の工場があった。当時の建物は「ヤマサちくわ」と岡田さんの工場だけで、周辺は田んぼ。大雨が降るとすぐに水に漬かったという。
 従業員は150人おり、生産するニットのセーターが売れに売れた。自分も直接セールスし、都内で直営店を3店構えるまでになった。
 豊橋商工会議所役員を務め、ロータリークラブ会員として長年、奉仕活動を続けた。また、子どもが通った小学校のPTA会長時代にはグランドピアノを寄贈したこともある。半世紀以上たつが、まだ現役だそうだ。
 長年連れ添った妻は亡くなった。遺影が、勲章や数々の表彰状とともに居間に飾られている。「4人の子どもが毎日のように様子を見に来てくれる。ありがたいことです」
 今でも近くのプールに通い、水中歩行を続けている。そして、近所の量販店で買った小さな缶ビールを飲むのが日課だという。

100歳へ人生楽しく

 「趣味を持ち、楽しむことが大切。100歳に向けて頑張りたい」と背筋を伸ばして語った。
【山田一晶】
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