名古屋で県戦没者追悼式

2024/08/16 00:00(公開)
遺族代表として「追悼の辞」を述べる林さん=名古屋市東区のウィルホールで
田原の林さんが遺族代表で追悼の辞

 県戦没者追悼式が15日、名古屋市東区のウィルホールで営まれた。約700人が参列し、父が戦没した田原市の林芙美子さん(83)が遺族代表として追悼の辞を述べた。
 林さんの父は陸軍上等兵だったが外地で病に倒れ、名古屋の陸軍病院に入院。林さんが生まれた10日後に亡くなった。林さんは戦後、祖母と母の3人での生活となり「食料難といわれる中、母は村役場に勤め、祖母が農作業で育ててくれた」と振り返った。
 ある時、知り合いの言葉をきっかけに、「私は心の中で『おとうちゃんに会いたかったね、ごめんね』と一日一回は言うことにしました」と語った。これまで「おとうちゃん」と口に出したことはないという。「人前で初めて使う『おとうちゃん』。口にするのはこれが最初で最後です」と述べた。続けて「今の平和な日本が今後も続きますことを祈念します」と締めくくった。
 追悼の辞に先立ち、大村秀章知事は「12万6000人もの本県戦没者の方々のご無念、苦しみを思うとき、悲痛な思いが胸にこみ上げてまいります」「先人たちの英知と懸命な努力によって荒廃の中から立ち上がり、屈指の産業力、文化力を備えた大都市圏として、目覚ましい発展を遂げてまいりました」と式辞を述べた。式は知事や遺族代表のほか、戦没者の曾孫世代の小中高生らも献花した。
 林さんは報道陣のインタビューに応じ、父は写真でしか知らないと話した。
【安部文晴】
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