豊橋市12議会始まる 長坂市長の所信表明どう評価? 5会派代表の受け止め

2024/12/02 22:19(公開)

 豊橋市の長坂尚登市長が2日開会した市議会12月定例会で所信表明演説を行った。市議会の主要5会派代表に聞いた所信表明の受け止め方は様々だった。市長が掲げる新アリーナ計画中止は賛否が分かれた。賛同する会派でも施策によって是々非々で臨む姿勢だ。各会派の反応をまとめた。

 

■自民党市議団 小原昌子団長

 

 第一の取り組みに挙げた新アリーナ計画中止と契約解除には賛同できない。市長の選挙公約だろうが、2年余りかけた市議会での審議と議決に至る経緯をないがしろにする内容だ。

 

 初登庁の11月18日は市議会へ説明もなく、担当部署へ契約解除を指示したと知らされた。市長選の民意を掲げるが、市議会が持つ民意も尊重すべきなのは二元代表制の原則だ。市長にはこうした懸念から、同日付で計画継続を求めて申し入れた経緯がある。

 

■公明党市議団 尾林伸治団長

 

 新アリーナ計画中止へ向けた契約解除は納得できない。市議会で多くの時間を割いて審議し、賛成多数で契約締結に至った。計画中止への思いは尊重するが、かたくなな印象だ。

 

 他の施策では不登校児童やヤングケアラー、青少年健全育成などの施策は会派の要望が盛り込まれ、他会派の施策も散見された。バランスに配慮した内容だが、それだけに新アリーナへのかたくなな姿勢が際立つ。

 

■新しい豊橋 菅谷竜代表

 

 吉田城跡の歴史を感じさせる公園づくりは着実に取り組んでほしい。土塁や石垣などの整備とともに、武将まつりなどのイベント企画や展示物の充実にも期待する。共働き世代を中心に自治会やPTA活動の負担減は組織のスリム化を図ってほしい。ごみ個別収集は高齢者や子育て世帯の利便性にもつながる。

 

 新アリーナ計画中止の方針は賛成なので滞りなく進めてほしい。「ハコモノ」より、子育て世帯を中心に住民サービス拡充へ注力すべきだ。

 

■共産党市議団 鈴木みさ子団長

 

 新アリーナ計画の契約解除は市長公約の実行と評価する。ほかの施策は是々非々で考えたい。

 

 子どものための施策に掲げた小中学校の再編は反対だ。ほか、いじめ防止策として警察を含む外部機関との連携を挙げているが、警察の介入は避けるべきとする会派の考えとは異なる。

 

 全体的に子育てや教育などの施策が手厚かったが、高齢者や障害者を含む福祉への取り組みがなかったのは残念だ。市議会での議論を深めて方向性を探りたい。

 

■まちフォーラム 星野隆輝代表

 

 市政運営の大きな方針は示したと思うが、施策の説明も抽象的でざっくりとしたつかみどろのない印象だ。

 新アリーナ計画中止へ向けた契約解除など一部の施策は、詳しく説明していたようだが、産業振興などの施策はまだ具体性に乏しい。住民目線の要望に基づいた政策立案へのアプローチが特徴的だと思う。

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