豊橋市の長坂尚登市長は3日、定例記者会見で新アリーナ計画中止へ向けた契約解除の協議申し入れに対し事業者から返信があったことを明らかにした。内容は「公表できない」とした。経済界など各方面から相次ぐ反対声明に対しても、中止の方針が変わらない点を強調した。
アリーナ計画中止の方針を掲げた長坂市長は当選直後から「速やかに契約解除の手続きに入りたい」とし、登庁初日の11月18日に担当部署へ指示した。特定事業者「豊橋ネクストパーク」には21日付で契約解除へ向けた協議を申し入れた。
市長によると事業者の回答は11月28日までに郵送で届いた。契約解除の申し入れに対する見解で、今後について「内容を踏まえ対応を検討する」にとどめた。
新アリーナ計画の契約解除へ向けて手続きが進む一方、市内外の各方面から反対の声が沸いている。近隣4市長らは、にぎわい喪失や経済的損失などを心配し、計画継続を求めるコメントを発表している。大村知事は県の関連補助や契約解除の根拠など中止方針に対する疑問を投げ掛けた。
豊橋商工会議所の神野吾郎会頭は、中心市街地のにぎわい創出や、地域経済発展に貢献できる施設への期待感から「看過できない」と緊急の声明を発表した。
ほか、市内在住者1万6000人超の労働者が加盟する「連合愛知豊橋地区協議会」も、解約への協議申し入れが報じられると継続を求めるメッセージを発信した。スポーツや文化エンターテインメントの魅力向上のほか、防災拠点の機能への期待を寄せている点から継続を望んでいる。
長坂市長は一連の要望やメッセージに「いずれも要望として直接手元には届いていない。連合地区協議会の声明は間接的に読ませてもらった。各市長からの声はあくまで個人の意見としてとらえている」とし、計画中止の方針に変わりがないことを示した。
計画中止の根拠をただされると「市長選での市民の声を優先した。4年前の選挙でも中止を掲げた候補が当選した。2回の選挙で市民はアリーナを望んでいなかった」との見解を示した。
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愛知県田原市出身。高校卒業後、大学と社会人(専門紙)時代の10年間を東京都内で過ごす。2001年入社後は経済を振り出しに田原市、豊川市を担当。20年に6年ぶりの職場復帰後、豊橋市政や経済を中心に分野関係なく取材。22年から三遠ネオフェニックスも担当する。静かな図書館や喫茶店(カフェ)で過ごすことを好むが、店内で仕事をして雰囲気をぶち壊して心を痛めることもしばしば。
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