東三河エリアで地域活性化に取り組む学生が増えてきている。今回は、第1期「火-Okoshi」への参加を機に多くの挑戦を重ねてきた豊橋技術科学大学修士2年の畠中蒼太さん(24)に話を聞いた。学内の起業サークルの立て直し、地域での学生団体設立、シリコンバレーでのアントレプレナーシップ研修への参加など、多岐にわたる活動を通じて得た経験と学びを紹介する。
最初に描いた目標は、「先駆者」「インフルエンサー」「0→1で事業を立ち上げる」の三つだった。その後、学生起業をした先輩の会社にインターン生として参加し、新規事業立ち上げの経験を積んだ。この経験が、後の挑戦に向かう土台となった。
シリコンバレーでの自社事業における市場調査の機会・ネットワーキングの構築により、海外での実践経験を積み、自信につながった。その後、帰国すると大学内のスタートアップサークル「Takeoff」が崩壊の危機に直面していたことを知り、代表として立て直しを図ることを決意。そこで、自分の好きなサウナを活用した事業を企画し、活動を続けていった。
さらに、学生が挑戦できる環境を地域で作ることを目的として、学生団体「DOT LINE」を立ち上げた。著名人を招いたトークイベントを豊橋で開催し、地域と学生をつなぐ役割を果たした。
多くの挑戦をする中で、協賛金集めやターゲット層の集客に苦労したという。特にイベント開催には協賛金が必要で、資金集めには困難を極めた。集客に関しても、ターゲットとなる人たちをどのように引きつけるかが課題だった。
しかし、そこで学んだのは「人とのつながりを大切にすること」だった。人とのご縁を築くことで、協力してくれる人が増え、活動の幅が広がることを実感したという。
これまでの活動の中で最も誇れることは、スタートアップサークルを立て直し、次の代表へと引き継ぐことができたことだという。「守り切れてよかった」と振り返る。また「やりたいことを掲げることで、周囲の人が協力してくれる」と実感し、実際に成果を出せる環境を作ることの大切さを学んだ。個人で動くだけでは限界があるが、周囲を巻き込みながら進めることで、大きな成果を生み出すことができると確信した。さらに、さまざまな環境に飛び込みながらネットワークを広げることが、活動をスムーズに進める上で不可欠であることも学んだ。
畠中さんは、自分の武器は「主体性」と「行動力」だと考えている。この強みを社会に出ても生かし、多くのプロジェクトに関わりながら、さまざまな人を巻き込んでいくことを目指している。
「あらゆる拠点にいる人々に出会い、『HATANAKA』の存在を知ってもらう。人々に幸せを提供できる人になる」という目標を掲げている。「世界で活躍できるビジネスパーソンとして、多様なプロジェクトに関わりながら成長していきたい」と語る。
東三河で「火―Okoshi」という学生向けの活動支援プログラムを企画するLirem代表の籔内龍介が地域で活躍する学生を迫っていきます。
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Lirem創業者。2000年1月11日生まれ。山口県宇部市出身。2020年3月、宇部工業高等専門学校を卒業、同年4月、豊橋技術科学大学3年で編入、在学中の2021年10月にLiremを設立して代表取締役に就任。現在は起業家支援事業や事業会社のイノベーション促進に向けた研修プログラムを提供する。「火―Okoshi」も運営する。
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