科学技術振興機構が昨年10月に開いた研究発表会「サイエンスカンファレンス2024」で、田原市立福江中学校の森下泰成さん(15)のトゲナナフシに関する研究成果が小中学生部門で大賞に選ばれた。森下さんは28日、田原市役所に山下政良市長を訪ね、受賞の喜びを伝えた。
森下さんは小学1年時に参加した昆虫採集イベントで初めてトゲナナフシを知った。雌だけで産卵できる単為生殖で、自宅で飼育と観察を続けるうち関心を深めた。小学6年で全国3例目となる雄の個体を発見して全国から注目を集めた。
今回は、食性の違いが成長と発育に与える影響をテーマに掲げた。実験では多種類の食草を与える「広食性」のグループのほか、異なる特定の食草のみを与える二つの「狭食性」のグループで発育や産卵行動の違いを調べた。
昨年5月から約10カ月間の実験で、広食性の個体が狭食性より平均体重で約1・4倍多かったと判明。また、狭食性の環境でも発育や産卵ができることも分かった。
森下さんは「より多様な餌がある広食性の環境の方が成長に適している点が裏付けられた。今回の発見は恐らく世界初だと思う」と満足した。
9年目のトゲナナフシ研究について「有名な昆虫ではない分、知らないことがたくさんあるので研究意欲とやりがいを誘う。今後は生物部のある高校に進み、魚の養殖に関する研究もしたい」と意気込んだ。
山下市長は「3年前に雄を見つけた時も驚きだったが、さらにトゲナナフシの特性を解明してくれた。疑問を明らかにする研究者としての素養がある」と期待した。
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愛知県田原市出身。高校卒業後、大学と社会人(専門紙)時代の10年間を東京都内で過ごす。2001年入社後は経済を振り出しに田原市、豊川市を担当。20年に6年ぶりの職場復帰後、豊橋市政や経済を中心に分野関係なく取材。22年から三遠ネオフェニックスも担当する。静かな図書館や喫茶店(カフェ)で過ごすことを好むが、店内で仕事をして雰囲気をぶち壊して心を痛めることもしばしば。
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