豊橋技術科学大学の高山弘太郎教授(生物環境工学)と次世代型農業支援会社「ファームシップ」(東京都中央区)が取り組む植物工場の省エネルギー化技術に関する研究が、「産業技術総合開発機構」(NEDO)の研究プログラムで2年間の継続支援を受けることが決まった。
ファームシップは農産物の生産から流通までの脱炭素化を図り、農業・食品産業技術総合研究機構、電子機器などの卸売業「RYODEN」(旧菱電商事)と組んで、22年度にNEDOのプログラムに採択された。
静岡県沼津市の植物工場では、ホウレンソウの栽培を通じ、IoT(物のインターネット)による環境モニタリングやAI(人工知能)を生かした照明や空調などの制御技術で省エネ効果の実証に取り組んだ。
栽培環境や生育状況をIoTで遠隔管理し、栽培棚は小区画で分けたうえでエリアごとにユニット化した。約3㌶の広い工場内で栽培していない棚や区域への照明や空調を柔軟に制御でき、多品種で少量の生産にも対応可能になる。
これらの技術を組み合わせ、全体で30%の省エネ効果の可能性も確認できた。実証実験の中間目標に掲げた20%削減を上回った。NEDOの中間評価でもプロジェクト継続が決まり、今後2年間で36%の省エネ効果を目指す。
ファームシップによると、植物工場の運営コストに占める照明や空調などの電力は3割。原価償却費や人件費と並ぶ負担だが、ほかの費用とは違い効率化による削減が可能だ。実証実験でのコスト削減を進め、社会実装と新規投資への弾みをつけたい考えだ。
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愛知県田原市出身。高校卒業後、大学と社会人(専門紙)時代の10年間を東京都内で過ごす。2001年入社後は経済を振り出しに田原市、豊川市を担当。20年に6年ぶりの職場復帰後、豊橋市政や経済を中心に分野関係なく取材。22年から三遠ネオフェニックスも担当する。静かな図書館や喫茶店(カフェ)で過ごすことを好むが、店内で仕事をして雰囲気をぶち壊して心を痛めることもしばしば。
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