豊川市豊津町の山本絢也さん(35)は、タマネギの種子を国内外で生産販売している。種苗会社に勤務後、29歳で個人事業主となり独立。昨年7月に法人化して「リッチ・ハーバー・シード」を設立した。日本政策金融公庫から6月に「ソーシャルビジネス支援資金」として融資を受け、業務拡大を目指す。
肥料や資材の高騰などで農業経営が圧迫される中、農業者支援のために自ら種子を生産しようと個人事業主になった。少しでも安い種子を販売するために奮闘する。
山本さんは、種苗会社時代にタマネギを担当。独立後も知識があったことや、世界中で生産されていることからタマネギに絞り、種の生産と品種改良に力を注いできた。豊川市と岐阜県に加えてイタリアなどの海外で生産している。
国内ではSNSなどでPRしたほか、海外では業界のイベントに参加してサンプルの配布を続けてきた。これら取り組みで徐々に認知度が上がり、年間売上高が約5000万円にまで増え、ようやく黒字を確保できるまでになった。
現在は年間1㌧ほどのタマネギの種子を販売する。大玉に肥大するもの、早く収穫ができるものなど3種がある。販売先はカナダ、アメリカ、スペインなど海外が全体の8~9割を占める。
海外はサンプルが良ければ購入につながる。一方で日本はSNSを見た若手農家らが購入しているが、保守的な農家が多いといい、従来の種から変更するケースが少ないのが現状だ。
山本さんは「従来の国内メーカーに比べ、3割安い価格で種子を販売できる。多くの人に利用してもらいたい」と意気込む。さらに「種子を専門に作る農家は国内で大きく減少している。私の力は微力ですが、種子農家の採算を良くして、やる人を増やしたい」と話す。
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1973年生まれ、豊川市出身。建設業界に勤務後、96年に入社。2022年から豊川市を担当している。趣味は美術館巡り。ポッドキャストでラジオを聞くのも好きで、さまざまな番組を楽しんでいる。
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