豊橋市の小久保さんが「竹とタケノコ」中国語版を自作 障害者支援など日中で格差

2025/09/07 22:00(公開)
障害者に対する両国の意識の違いなどを示した報告会=豊橋市のレンタルスペース・ファーマーズで

 日中両国のキャリア選択や障害者への意識の違いについて、豊橋市内に住む高校生の小久保美紀さん(18)が7日、探究成果の報告会を同市駅前大通3の「レンタルスペースFarmers(ファーマーズ)」で開いた。豊橋発の短編映画「竹とタケノコ」を題材に、字幕入りの中国語版を自作して現地で上映、インタビューをまとめた。

探究成果を報告する小久保さん=「レンタルスペース・ファーマーズ」で

 小久保さんは日本航空高校(石川県)の通信課程に学ぶ。将来は中国の福祉や教育政策などをテーマに大学で研究したいという。幼少期に暮らした中国への関心と、日中の国民性や社会的な環境の格差に驚いたことが探究心をくすぐった。

 

 題材にした「竹とタケノコ」は、清水尚弥さん演じる発達障害を持つ主人公が豊橋伝統の手筒花火にのめり込み、父の死を機に揚げ手として受け継ぐ物語だ。

 

 小久保さんは上映内容を元に、北京や天津で両国の学生らを中心に障害児の進路選択や支援体制についての意識を聴き取り調査した。

 

 小久保さんは「中国は『超』が付くほどの学歴重視や自己責任の意識が浸透している」と紹介。中国人への聴き取りから「障害者は社会から距離を置かれている印象。多様性の時代に障害を個性や強みに代える環境を整えるには、教育や政治の仕組みなども鍵を握る」と課題を挙げた。

 

 この日の発表会には地域の人や教育関係者のほか、市議や市職員らが参加した。開催には高校生の課外活動を支援するグループを主宰する石黒慧水さんらが協力した。

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加藤広宣

愛知県田原市出身。高校卒業後、大学と社会人(専門紙)時代の10年間を東京都内で過ごす。2001年入社後は経済を振り出しに田原市、豊川市を担当。20年に6年ぶりの職場復帰後、豊橋市政や経済を中心に分野関係なく取材。22年から三遠ネオフェニックスも担当する。静かな図書館や喫茶店(カフェ)で過ごすことを好むが、店内で仕事をして雰囲気をぶち壊して心を痛めることもしばしば。

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