豊橋市美術博物館で11月1日から鈴木英人展が開幕

2025/11/01 00:00(公開)
豊橋をモチーフにした新作も並ぶ

 透明感のある鮮烈な色彩と、風や光を表現する独自のタッチで知られるイラストレーター、鈴木英人さん=神奈川県逗子市=の作品展「風と光のアート 鈴木英人の世界展」が1日から豊橋市美術博物館で開幕する。これに先立ち10月31日、同館で関係者約200人が出席し、開場式と内覧会が開かれた。

 

 1948年、福岡生まれ。80年代に米国のリゾートシーンを描き一世を風靡(ふうび)。山下達郎のレコードのジャケット画やラジオ雑誌「FM STATION」のイラスト、中学英語の教科書「NEW HORIZON」の表紙など、多くの作品を手掛ける。今展はデビュー45周年を記念して開く、過去最大規模の個展。展示のために組織された鈴木英人展実行委員会と市との協働企画で、市内の多くの企業が特別協賛に名を連ねた。

 

 開場式では、主催者を代表し稲田浩三副市長が「11月は豊橋が鈴木英人さん一色に染まる。心躍る11月を盛り上げたい」などとあいさつ。実行委員会の佐藤元英委員長が「展示会が現実となりうれしく思う。全国からファンがどっと来ていただけることを期待します」などと述べた。鈴木さんら関係者によるテープカットで、大規模展のスタートを飾った。

 

 同展は「風と光のデイ・トリッパー EIZIN SUZUKI 45年の軌跡」と題し、デビューから現在に至る鈴木氏の画業の集大成を紹介。「1980年代パントン原画 誰もやっていない表現を探し出す」「1984年~1992年リトグラフ アメリカンノスタルジーから楽園の世界へ」「2000年~EMグラフ 終わりなき旅の途中」など全5章で原画や版画、グッズなど、未公開作品を多数含む約300点を展示する。

 

 建物などを描いた繊細で透明感ある初期のパントン原画、アメリカの西海岸を思わせるリトグラフ、欧州や日本をモチーフにした色鮮やかなシルクスクリーン、独自で開発した新しい版画技法「EMグラフ」で表現した美しい風景画などがずらり。アーティストのCDカバーや企業の広告キャンペーン、雑誌など、鈴木さんが手掛けた商業作品を紹介するコーナーも。

 

 注目は、今展示のために描かれた豊橋をモチーフにした「終わりなき日々」「双炎の碧き城」の新作2点だ。「双炎~」は東三河伝統の手筒花火を迫力満点で表現し、「終わりなき~」は市公会堂前を走る市内電車を描いている。

 

 1日は鈴木さんによるサイン会、16日はサイン会とトークショーを予定している。展示は11月30日まで。月曜休館だが、3日と24日は開館し、翌火曜日休館。一般・大学生1200円、小中高生600円。

 

関係者によるテープカット
作品を解説する鈴木さん
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田中博子

 愛知県豊橋市生まれ。大学卒業後、校閲記者として入社。1年後に報道記者に転身した。2020年から報道部長。芸術、福祉、経済・奉仕団体などを担当する。趣味は、かなりジャンルに偏りのある読書と音楽鑑賞。思考のそっくりな一人娘と趣味を共有している。

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