豊川海軍工廠(こうしょう)の空襲体験者で豊川市立萩小学校の校区に住む清水信吉さん(96)が14日、学校を訪れ、6年生10人に空襲について語った。
豊川市教育委員会は小学6年生を対象に、豊川海軍工廠平和公園の見学会を開いている。同校では見学前の事前学習として、清水さんから体験談を聞くことにした。
清水さんは、1941年から豊川稲荷で働きながら豊川中学校の夜間部に通っていた。本来は5年で卒業だが戦争が激しくなったことから繰り上げ卒業となり、45年5月から工廠の工員となった。
空襲当日は事務仕事をしており、退避命令が放送されて屋外へ出ると、すでにB29が真上に来ていて、爆弾を落としているのが見えたという。
「爆弾が降り注ぎ、逃げている時に、倒れた人が助けてくれと求めてきた。どうすることもできずに逃げ続けた。今振り返ると涙が出てくる」と述べた。また「逃げている途中に爆弾が落ちてきて女性が見えなくなった。おそらく直撃を受けて影も形もなくなったのだろう」などと語り、悲惨な様子を伝えた。清水さんは大学生の語り継ぎボランティアをしている片岡優美さん(21)の質問を受けながら語った。
藤田翔也さん(12)は「信じられないぐらい悲惨な出来事があったと感じた。家族に話を伝えたい」と述べた。児童は17日に平和公園を見学する。空襲では2500人超が亡くなり、1万人以上が負傷した。
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1973年生まれ、豊川市出身。建設業界に勤務後、96年に入社。2022年から豊川市を担当している。趣味は美術館巡り。ポッドキャストでラジオを聞くのも好きで、さまざまな番組を楽しんでいる。
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