「Sunny Place(サニープレース)」が豊橋市大岩町沢渡にオープンした。国道1号沿いに立つ小さな店に行列ができる。人気の秘密は、同町発祥のサニーレタスをふんだんに使った「クレープドッグ」と、もっちりとした食感が魅力の包みクレープ。軽食としても、スイーツとしても楽しめる。
店を運営するのは「サニーレタスの里プロジェクト」を手がける朝倉真一郎さん(65)。この豊橋発祥のサニーレタスの存在を改めて発信したいとの思いから、店を立ち上げた。
サニーレタスは1970年代、おじの昭吉さんが当時の食生活の変化から「洋食に合う新しい野菜を作りたい」と考えたことから生まれた。厨房で玉レタスの葉を1枚ずつはがす手間を見て、調理しやすい「葉レタス」に可能性を感じ、仲間8人とともに試行錯誤を重ね、72年に完成。昭吉さんは、太陽の恵みを受け赤みがかった見た目から「サニーレタス」と命名した。独占せず、地域の農家と共有したことも特徴で「多くの人に食べてほしい」という思いが受け継がれている。
店はその歴史を現代に伝える。朝倉さんは「食を通じて地域を元気にしたい」と語る。クレープを自動で焼き上げる機械を導入し、1分間に1枚のペースで生地を作る。テイクアウトしやすい包みスタイルのクレープには、サニーレタスとポテトサラダやエビなどを挟み軽食感覚で楽しめる商品のほか、生クリームやイチゴ、チョコ、ピスタチオ、塩バターキャラメル、わらび餅を包んだスイーツ系など多彩なメニューがそろう。
これらはインスタグラムや口コミで広がり、1日100個が完売する人気となっている。
さらに店内には、アメリカ大型倉庫店の再販コーナーがある。大量販売が基本の商品を、小分けで購入できる。マフィンやロールパンなどのパン類のほか、ナッツ、オーガニックジュース、ペーパータオルなどの人気商品が並ぶ。クレープに合わせるコーヒーは、豊橋の老舗「ワルツ」の豆を使用。コクと香ばしさがほどよく、甘いクレープとの相性が抜群と評判だ。
朝倉さんは今後、サニーレタスを活用した新しい商品の開発や水耕栽培、無人販売など豊橋から生まれたサニーレタスをさらに広める活動を続ける。「サニーレタスは一般的な玉レタスに比べて栄養価が高く、貧血予防や腸内環境を整える効果がある。健康で手軽なサニーレタスの魅力と豊橋が発祥であることを知ってもらいたい」と話す。
営業は午前10時半~午後6時。日曜と月曜定休。無くなり次第終了。
購読残数: / 本
1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。
週間ランキング
日付で探す