鹿児島市の「monoDuki合同会社」(村上将太郎代表)は、文部科学省の「DXハイスクール」に認定されている県立豊橋工科高校に対し、機材選定から授業設計、講義実施までを一体で支援する伴走型プログラムを実施したと発表した。同社はデジタル技術を活用し、地方の中小企業や自治体向けのDX推進とブランディング支援を手掛けている。
支援があったのは3月12日、13日、16日で、ロボット工学科の2年生40人が対象だった。
同校では、システムエンジニアなど将来の進路に向けた実践的な学習環境の整備や、予算や授業数の制約から限られていた工場見学などの現場観察をVR(仮想現実)技術で代替、補完することが課題となっていた。また、安全教育の一環としての「ヒヤリハット活動」で、平面の写真ではなく立体映像を用いて、質の高い意見交換を行いたいという狙いもあった。
今回の支援では、目的に合わせてVRのヘッドセット端末「Meta Quest 3」を22台導入し、授業用と探究用のモードを柔軟に切り替えられる環境を構築した。授業企画としては、3コマ連続の「探究のタネを探せ! Quest×現場観察プロジェクト」と題し、仮想空間での現場観察や空間描画体験を設計した。講義に合わせ、同社が教職員向けの研修を実施したほか、生徒たちは操作者、記録係、分析係の3人1組に分かれてVR空間内の現場を観察し、役割分担による多角的な視点の重要性を実践的に学んだ。
参加した教員からは、立体の映像を見ることで現場の奥行きやリアルなスケール感が伝わり、生徒から出る意見の質が格段に向上したとの声が寄せられている。さらに、将来働く場所の様子をリアルに体感できることは、生徒の進路選択の助けになるという評価も出た。生徒からも、1人で全てを行うと視点が限定されてしまうため多角的な視点が必要であることを実感したという感想や、技術の便利さと難しさを同時に体感し、自分以外の多様な視点を取り入れることの大切さを学んだといった意見が挙がった。
同校は今回の経験を生かし、3年生で取り組む課題研究で、VR技術を取り入れたより高度な課題解決へのアプローチを継続して探究していく予定だ。
monoDuki合同会社は今後も、教育現場の実情に即した実践的なデジタル人材育成を支援していく方針を示した。
購読残数: / 本
1967年三重県生まれ。名古屋大学卒業後、毎日新聞社入社。編集デスク、学生新聞編集長を経て2020年退社。同年東愛知新聞入社、こよなく猫を愛し、地域猫活動の普及のための記事を数多く手掛ける。他に先の大戦に詳しい。遠距離通勤中。
週間ランキング
日付で探す